その魔法少女は女の子じゃなかったから。

「君さ、魔法少女になってみない？」——それは下校中の雨の路地裏で、“僕”が出会った怪しい女性からの、とんでもない誘いだった。彼女は銀色の髪に深紅の瞳を持ち、不思議な美しさを湛えていた。驚きつつも、否応なく巻き込まれた僕は、男であるにもかかわらず魔法少女に変身することに。変身すれば、女の子の姿になり、普段苦手な女子とも普通に話せるようになった僕は、「ルイ」と名乗りながら、仲間たちと共に怪人と戦う日々を過ごす。

でも、本当の自分を隠し続ける生活は次第に心を蝕んでいく。どこの誰が言ったかも分からない何気のない「男なのに女の子になり切るとかキモい」
その一言をきっかけに僕は——彼女たちの前から姿を消すことを決意した。
やっぱり僕は魔法少女にはなれないよ、だって男なんだから。