私は紅茶をぶちまけた
みずしろ
第1話
石原都は常に死にたかった。優しい両親や妹、友人に恵まれていようと、何もかもうまくいっていようと死にたかったのだ。
今日、婚約者がそれを叶えてくれた。
[君はいつもつまらない顔をしているね。この僕との食事だ。楽しそうにしたらどうなんだ?]
[楽しいと思ってますよ]
[嘘つき。ならなんで眠そうなんだ?]
都の目は常に半開きだった。それに婚約者の高倉皐月はキレながら聞いた。
[眠そうなのは生まれつきなんです。貴方とのコミュニケーションは好ましく思っておりますよ]
[・・君は常に死にたいと思っている。そんな君の気分を上げるものだ。受け取りたまえ。]
[・・なんです?これ]
[・・・僕がプレゼントした入りの紅茶だ。飲みたまえ]
[紅茶にしては変な色と匂いなんですけど。・・なんです?これ]
[死ぬための薬だ。・・飲みたまえ。]
その紅茶はツン、とした匂いがした。嗅ぎたくない臭い匂い。
[さあ飲みたまえ。飲んだら君は一撃で死ねる。]それを聞いた都はその紅茶を地面にぶちまけた。
私は紅茶をぶちまけた みずしろ @abcfrens0612
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