儚げで美しい宝石のイメージがもたらす幻想的な世界観が魅力
- ★★★ Excellent!!!
その輝きが太古の昔から人々を魅了してやまない宝石。この作品は、宝石をその身に宿す宝石獣という生き物たちが存在する世界での物語となります。
宝石は美しさだけではなく、何かの象徴であったりするような神秘性があり、宝石獣という存在によって幻想的な世界が目に浮かぶようでした。
その世界で起きた一つの悲しい出来事。それを全て呑み込んで生きていこうとする男の気高い精神が、儚げで美しい宝石のイメージと重なり、なんともいえない読後感がありました。
きっちりまとまった短編ながらも、奥行きを感じさせるファンタジー作品であり、ぜひ続きを見たい一作となっています。