王子と姫君

橋本衣

第1話 溺愛の始まり



「美味しい、、、、ポロポロ ポロポロ」


「笑 良かったです」


何でこんな事になってしまったのか、今朝は全く普通だったのに、、、、





ピピッ ピピッ ピピッ ピ カチッ


「、、、、ん〜、ふぁぁ(大きなあくび)」


カーテンの隙間から朝焼けの朝日が差し込む中、目覚まし時計が鳴り、俺は手探りで止める。

止めたら、まだ眠いが起き上がって、スマホを手に取って1階に降りる。降りたら洗面台に向かって顔を洗い歯磨きをする。


パシャッパシャッ パシャッパシャッ


「フゥ パパは仕事いつ帰ってくんだろ」


そう呟きながらタオルで顔を拭く。父は部長だが、仕事好きな人だから出張や転勤が多くなって家に帰ってくる事が少なくなった。母は俺が小2の時に病気で亡くなった。それからは、父と兄姉4人から育てられた。と、言ってもその兄姉達は結婚したりしていて、俺1人で生活していると言っても過言では無い。

俺、空野雪哉そらのゆきや16歳は今年の春に高校生になってから早1ヶ月半が経とうとしている。毎月父や兄姉達からお金は貰ってて友人達にも恵まれててそれなりに充実した毎日を送っている。

何て思いながら、キッチンに向かう。


「えぇと、食パンと目玉焼き、ウインナー、サラダかな〜、、、ゲッ」


呟きながら冷蔵庫を見たら、苺ジャムの瓶の量があと残り1回分しかなかった。俺は苺ジャムを手に取って、置く。

俺はすかさず、キッチンから出てリビングの棚を開けて上から2番目から1番左のノートを手に取る。ノートをパラパラと開いたらお目当てのページが出て来た。そこにしおりを挟んでおいて机に置いておく。


「帰ったら作っておくか、ママのレシピノートで作ったのは本当に美味しいし」


そうあの棚に入っているノート達は亡くなった母が書き記したレシピノートだ。小さい頃から俺は料理の手伝いをしてきて母の次に料理が上手と言われて来た。母亡き今、俺がこのレシピノートを引き継いでいる。


俺はすぐにキッチンに戻って手首にある髪ゴムで髪を1つ結びにし、食パンをトースターで焼いている間にフライパンに油を引く、そこに卵を落として焼いて切れ目を入れたウインナーも入れたあと、卵焼き様に卵を溶いて、砂糖と醤油を入れて混ぜ、前日に準備して置いた上がる前の唐揚げを取り出して、大きなフライパンに油を入れる。

同じく準備して置いた焼く前のハンバーグを取り、ほうれん草の胡麻和えの入った小鉢と煮物が入った鍋と温める。焼き終わった目玉焼きとウインナーを皿に移し、すかさず卵焼きを作り、切っておいたキャベツ、トマト、きゅうりを取って皿に盛り付けて、ドレッシングをかける。

焼けた卵焼きをお皿に移し、焼けた食パンを皿に移し、朝食をテーブルに置いたら、コップに牛乳を注ぎ、食パンに苺ジャムを塗ったら、食べ始める。


「いただきます ザクッ モグモグ ゴクッ 」

「ちょと早く食べなきゃだな パクッ ザクッ モグモグ モグモグ ゴクゴクッ 」


少し早めに食べていつもより早めに食べたら、食器類を水に付けたあと、油を温めきったら、唐揚げを入れて揚げ、フライパンにハンバーグを敷いて焼き、前日に予約していたご飯を炊飯器からよそっていつもより大きなお弁当箱に敷き詰め、揚げ終わった唐揚げと焼き終わったハンバーグ、ほうれん草の胡麻和え、煮物、卵焼きをもう1つの箱に敷き詰める。敷き詰めたら、少し冷めるまで待つまでに、着替えるために2階に上がる。


ガチャ


「今日は少し余裕があるかも、」


制服に着替えて、リュックに教科書やノートの他に他の荷物を入れて置き、充電器と財布を入れたら、背負って1階に降りる。降りたら、洗い物を洗ったあと、洗濯物を干した後に、


「もう良いかな、」


お弁当を触ると少し冷めていたので蓋をしてそれをリュックに入れる。スマホで時間を確認して、家を出る。


数分歩いてバスに乗り、十数分乗った後、降りてから数分歩けば学校に着く。


ザワザワ ザワザワ 《おはよ〜 おはよ〜 おはよう! おはよう》


あずさ昌人まさともう学校来てるか、なぁ、、、、ぇ″」


歩きながら、スマホを取り出してLI○Eを見ると、友人2人から「ごめん、熱出して休む」 「ごめんね、体調壊して学校休むね」 と送られてきた。


「マジかよ〜、折角2人にも食べて貰おうと沢山作ったのに〜」


何て落胆しながらリュックに目をやって、落ち込みながらも靴を履き替えて教室入ると、、、、


節村せつむら君!おはよう、今日もカッコいいね!」


真白ましろ君、おはようございます!今日も素敵ですね!」


「節村君、おはようございます!今日も元気ですか?!」


「、、、、うるさい」


「「「「「キャァァ〜!」」」」」


と、1つの机を囲む様に女子達が群がっている。そのお相手は俺の学校の王子こと、節村真白せつむらましろだ。高身長でイケメン、成績も良く入学してからずっと人気は途絶えていない。性格は基本的にクールで冷たく友人達にも同じ対応だが、優しいとも感じ取れる。

何て思いながら少し離れた席に座る。入学してから、喋った事なんてあまりないと言うかないに等しい俺らの関係は多分発展する事はないだろう。





「空野、卵焼き美味しいな」


「ありがとう」


何て思っていたら俺も居ました。こうなるまでは

何故なんだ。


事の発端は、友人2人が学校を休んだ事で教室でご飯を食べるのもなんか恥ずかしいからと、人気の少ない校舎裏に来たら、


『ここなら大丈、夫 ぁ 『ぁ、、、、』、、、、こ、こんにちは』


てな感じで、節村君と出会ってしまった。俺は急いでその場から去ろうとしたんだけど、


『逃げるんだったら、俺がここから離れるけど?俺、別に君居ても嫌じゃないし』


『そ、それは良いです!俺も嫌ではないので!』


『そう、なら座れば?』


そんな感じで節村君の隣に座る事に、そのまま時が過ぎ去るのを待っていたらお弁当を食べれないので、お弁当を食べようとしたら、


『、、、、グウゥゥゥゥ〜、、、、君か?』


『いや、節村君ですよね?お弁当どうしたんですか?』


『忘れた。売店に行こうとしたけど、人多い所苦手で』


『そうなんですか、、、、良かったら半分食べてくれませんか?』


隣でお腹を鳴らさせるのもあれだし、量が量だから、食べて貰う事にした。


『、、、、だが』


『良いから、良いから、 はい、あーん』


『ぇっ、、あー パクッン モグ !モグモグ モグモグ』


無理にでも、食べさせ様と箸で卵焼きを取りごねっている口に放り込む。1噛みした後、人が分かったかの様に美味しいに卵焼きをモグモグと食べる節村君。1つ食べ終わった時に、


『美味しい、、、、ポロポロ ポロポロ』


『笑 良かったです(えぇ〜!?泣き始めた!?ぇ、何、俺の料理って泣かせるほど美味しいの!?ぇ、ママのレシピのおかげ!?でも、泣くほど美味しいの作れたのは、、、、嬉しいかも笑)』


泣かれた時は流石にびっくりしたがスルーしようかなって思ったりもした。と、まぁこんな事が起きて今に至るって感じですね。はい、


「ハンバーグもどうぞ」


「良いのか、なら パクッ モグモグ!モグモグ モグモグ 」

「これも、これも、美味しいな笑」


「そう言われて嬉しいです」


「《本当に同じ味だ、、、、》」


「へ?、、同じ味?」


そう呟いた言葉に俺の耳は逃さずに聞き入れた。俺はすかさず、質問をすると、


「、、、、母さん、亡くなった母親が作った料理と同じ味がするんだ」


「同じ味、、、、」


「卵焼き、もしかしてだけど、マヨネーズと一緒に味噌入れたりしてないか?母さんも同じだったか 「え!本当!?」 あぁ」


「嘘、ママと同じだ」


「空野のお母さんも同じなの?」


「うん、ママが残したレシピノートにその作り方が載ってるし」


「、、、、ハンバーグも同じ味だったし、偶然とは思えないな、、、、」


「ですね」


そう俺も同意していると、節村君は美味しそうにお弁当を食べ続けている。俺もその横でもう1つの箸で食べる。十数分後、昼休み終わるぐらいに俺達は食べ終わって、俺は先に教室に戻ろうと立ちあがろうとしたら、手首を掴まれた。


「節村君?な、何でしょうか?」


「あのさ、断っても良いんだけど、そのお弁当作って持って来てくれない?そのまた母さんと同じ味が食べたくて」


少し恥ずかしそうだけどあまり表情筋はあまり崩さなくデレているところや、本当に美味しかったんだって言葉で感じ取れて俺は感動してしまった。


「、、、、!!」


「、、、、嫌なら別 「喜んで!と言うか毎日でも良いですよ!」 ぇ?、、、、良いのか?」


俺はすぐに提案を受けれて、更なる提案を言う。言うと少し戸惑った表情をする節村君。


「1つや2つなんて、苦でもないですし、それに、」


「それに?」


「こうやって誰かに美味しく食べて貰えるととっても嬉しいから、だから、また食べたいって言ってくれて嬉しくて 笑」


「、、、、ドキッ// ??(何だ、今の感情は?、、、、別に良いか)」

「なら、それでお願いする。それで、その教室で渡されるのもあれだから、何処かであって渡すのはどうだ?」


「なら、ここならどうですか?ここなら人は来る事あまりないですし」


「そうだね、、、、まさか姫にお弁当作って貰えるとは、、、、」


そう俺を見ながら言う節村君に俺は驚きのあまり声をあげながらすかさずに、


「姫って何!?」


「知らないの?空野、小柄の容姿と髪が長くて女子力高い雰囲気出してて顔も可愛いから男子から、男子の中の姫君って呼ばれてるの」


「初耳なんですが」


初耳情報を耳にさて驚きのあまり硬直してしまった。


「結構、この学校の生徒なら知ってるけどね」


「マジか〜、、、、ぁ、明日の弁当何、入れて欲しい?」


俺が立ち止まって聞くと節村君も立ち止まって俺の方を見て、少し考えた後、


「、、、、オムライスが良いな」


「まさかのメイン!良いよ、それに合うトッピング考えなきゃ」


何て、話しながら少し経って俺は周りの女子や男子に見られない様に節村君と離れてから少し遅れて教室に入る。席に座ると、


「ヒラヒラ ((雪哉の方を見て手を振る。その表情は少し笑っている))」


「ウグッ はぁ ヒラヒラ ((真白の方を見て手を振る、周りにバレない様に慎重にしながら))」


俺と節村君の関係はただのクラスメイトから、お昼休みにお弁当を渡す関係に変化してしまった。


だが、これからこの関係が大幅に変わって、あんな事やこんな事になるなんて俺は知る由もなく、節村君は若干知っている表情をしながら、授業を受けている。



















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王子と姫君 橋本衣 @yuitakahasi

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