心と身体が乖離した少年が落されたのは残酷な世界だった

主人公の戸沼幸(こう)は日々自分を演じて過ごしていた。気持ちから動くのではなく、いわば自分と言う名のマニュアルに従って行動を決めていたのである。

そんなむなしい日常を送っていた幸は、黒い着物の少女に絡まれ、異世界の「傍屋」という不思議な場所へ誘われてしまう。

傍屋の主人は幸に告げる「あなたは世界に合わない歯車」だと。
心と体が別行動しようとしている、それは世界にとって危険なことであるために、幸は異世界へ放り込まれる。

そこは、幸にとってあまりにも残酷な世界だった。その残酷な世界で「死」を間近に見、自分も死に直面することで、幸は初めて自分に真剣に向き合うことになる。


感想:その残酷な世界にあって、時折触れることができる人の優しさに涙が出ました。
異世界転生ものですが、テンプレにはない独特の世界観が新しいです。
”自分”という定義を考えさせる作品だと思います。

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