そして小説家はいなくなった

◆あらすじ◆

　今から三十年前、私はプロの小説家としてデビューした。
　ここ十年は新作が出せずに苦しんでいたが、ある日私は『驚天動地のトリック』を閃いた。
　
　プロットを完成させて担当編集者に送ると、ＧＯサインをもらう。
　私は一ヵ月かけて、初稿を書き上げた。

　ミステリー史に残るほどの傑作が出来上がったと喜ぶ私だったが、担当編集者は私が予想だにしなかった原稿の問題点を挙げ始めるのだった。