第12話 清州龍國の死

 彼はそんな非難の疾風怒濤のさなか、国外に〝逃亡〟した。


 実は逃亡というのは正確な表現ではない。

 彼はアルチュール・ランボーが死を捨てたように政治を捨てたのだ。民を捨て、日本を捨てたのだ。それはmいい加減で、誤った行為だ。無責任だ。

 だが、彼は轟然と聳えて欣笑(ごんしょう)する。

「ちまちました、モラハラの世界よ、龍はここには住めん。さらば」

 

 彼は変装して紛争地に赴いた。紛争地で傭兵として戦った。

 ある難民キャンプが爆撃された。非人道的な殺戮だ。どんな理由も通用しない。実行した者と命じた者とは逃がれようも赦されようもない永遠の地獄に落ちる。


 清州は難民の子を庇って死んだ。そうとしか思えないが、その骸は跡形もなく消えた。


 退院した坂上は土佐にある清州龍國の実家に再び赴くが、その家も敷地も跡形もなく消えていた。

 

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令和の改新 しゔや りふかふ @sylv

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