第3章第4話: 「エディの修理、やっぱりトラブル?」
「さあ、みんな。とりあえずお茶でも飲んで一息つこうか」とエディが陽気に提案する。
「こんなに散らかってる場所でお茶を飲むなんて…」と、リオナは呆れ顔。部屋は相変わらずガラクタや道具が山積みで、座る場所すら見つけにくい。
「少しは片付けなさいよ」とミレイが口をとがらせる。
「だって片付けると、何がどこにあるかわからなくなるんだよ」とエディが笑いながら返す。
リアンナは相変わらず、「埃が気になるわね…」と目を細めている。
その間も、ルビィは興味津々であちこちのスイッチやボタンに触っている。「これは何かな?」と一つボタンを押すと、外にいるエリオの頭にタライがバシャーンと落ちる。
「ぎゃっ!」と叫ぶエリオ。
「ご、ごめんごめん!」とルビィは笑いながら言うが、全然悪びれていない。
「ちょっと、何も触らないでよ!痛いってば!」とエリオが涙目で訴える。
「悪い悪い」と言いながらも、ルビィは次に別のスイッチを押す。すると、今度はびっくり箱が飛び出し、中からボクシンググローブが伸びてエリオの顔面に直撃。
「ぼふっ!」
「痛いよー!もうやめてよー!」とエリオは涙目でさらに叫ぶが、ルビィはケラケラ笑って全然やめる気配がない。
そんなやり取りを見て、リオナは呆れながら「もう、そんなことよりさ…真実の泉はちゃんと直るの?」とエディに尋ねる。
「大丈夫、まーかせて!」とエディは親指を立て、「とにかく見てみるよ」と言って、リアンナの元へ歩いていった。
エディはさっそく修理を始め、あちこちの部品をいじりながら、何やらブツブツと独り言を言っている。リオナ、ルビィ、ミレイはその様子を見守りながらお茶をすすっている。
「なるほどね〜、わかったよ!」と突然エディが声を上げた。
「原因は何だったの?」とミレイが尋ねると、エディは得意げに言った。「経年劣化だね」
「それって、年取ったってこと?」とエリオが無邪気に尋ねた瞬間、リアンナがフルスイングでエリオの顔面を殴り飛ばす。
「言葉には気をつけてね、オホホホ」とリアンナが笑顔で言い放つ。
「う、うん…気をつけるよ…」とエリオは顔面を押さえながらうなずく。リオナたちはリアンナのパンチの威力に驚き、少し引き気味だ。
「それだけじゃないんだ」と、エディが続ける。「ここには強い衝撃を受けた痕跡もあるんだよね」
「あ〜、それなら心当たりがあるわ」とリアンナが肩をすくめる。「公爵に『あんたのショー、誰も喜んでないわよ』って言った時、あいつが怒っちゃってさ。“お掃除くん”に追い出された時のことね」
「それでか!」と一行は一斉に納得したようにうなずいた。
「で?ちゃんと直るの?」とミレイが念押しする。
「トーゼン!」とエディは笑顔で答え、「お茶のおかわりでもしてて」と手を振った。
一行は少し離れた場所でお茶をして待っていると、エディがニッコリ笑って「終わったよ!」と戻ってきた。
「本当に直ったの?」とリオナが疑わしそうに尋ねるが、見た目は全く変わっていない。
「説明するね!」とエディはまるで車のセールスマンのように自信満々で話し出した。「今までよりも2倍のスピードで移動できるようにしたし、エアコン、パワーステアリング、それにナビゲーターまで搭載したよ!」
「なんでやねん!」と一行は一斉にツッコミを入れた。
「え?これ、便利じゃない?」とエディがきょとんとしている。
「いやいや、そういうことじゃなくて!」とリオナがため息をつく。「これで、ちゃんと“真実”が見られるようになったんでしょうね?」
「もちろんさ、今まで以上に正確に映し出せるよ!」とエディは胸を張る。
「じゃあ早速試してみよう!」とエリオが期待を込めて水面をのぞき込んだ瞬間、エディが「あっ!」と声を上げた。
「どうしたの?」とリオナが眉をひそめて尋ねる。
エディは頭を掻きながら、ニヤリと笑って「直すの、忘れてた」とあっさり言った。
「なんでやねん!!」と一行は再び総ツッコミで声を合わせた。
お転婆姫とドラゴン(仮) @anichi-impact
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