第3章第3話: 「エディ登場!カオスな修理屋」
「へ〜、あんな風に移動するんだ」とリオナが驚いたように呟く。目の前では、リアンナが乗った「真実の泉」がふわりと空中を移動していた。
エリオも目を丸くして、「泉って…空を飛ぶんだね」と感心している。
ルビィは腕を組んで、「私ら、ドラゴンに乗って飛んでるし、ミレイなんか箒で飛んでるけどね。意外と普通じゃん?」とあっけらかんと答えた。
リアンナは仁王立ちで、「泉っていうより、カーペットに乗ってるようなものよ」と不機嫌そうに言いながら周囲を見回す。
「見えてきたよ」とミレイが前を指差した。そこにあったのは「家」というよりも、まるでスクラップ置き場のようなゴチャゴチャした場所だった。
「エディ、いる?」とミレイが声をかける。中に入ると、そこには道具や材料、よくわからないガラクタが所狭しと積み上げられている。
「いないのかな?」とミレイが呟くと、リオナが少し引き気味に「ほえ〜、すごい…これ全部使えるの?」と感心している。
リアンナは眉をひそめ、「埃が気になるわね…」と顔をしかめている。ルビィは目を輝かせ、「うわ〜、面白そうなものがいっぱい!」と好奇心でワクワクしている。
一方、エリオは大きな体のせいで狭い入り口から中に入れず、必死に首を伸ばして覗いている。「ど、どうなってるの?」
すると、突然床から「ぽこっ」と何かが生えるように現れた。現れたのは、奇妙な丸眼鏡をかけた男性。「やあ!ミレイじゃないか」と挨拶したかと思うと、すぐにまた床に引っ込んでいく。
「ちょっと見て欲しいものがあるんだけど」とミレイが話しかけると、今度は天井からスルリと姿を現した。「なんだい?」と軽く答えて、またすぐに引っ込む。
「あのね、魔道具のことなんだけど…」とミレイが続けると、また床からひょっこり出てきて「ほうほう、それで?」と聞き、また引っ込む。
「だから、魔道具が…」とイライラしてくるミレイ。彼女の顔には徐々に怒りの色が浮かび始めた。
すると、再び床からぽこっと現れたエディが、「で?なんの用だったっけ?」と首をかしげる。
「いい加減にしろー!」とミレイがついに雷の魔法を唱え、電撃がエディに直撃する。「ぎゃー!」と叫びながら、エディは黒焦げになって転がった。
「ひどいな〜」と、黒焦げになったままのエディがぼやく。
「話が進まないから、ちょっと落ち着いてくれる?」とミレイが冷たく言い放つ。
ルビィは大笑いしながら、「なかなか面白い人だね〜!気に入った!」と声を上げた。
リオナは引きつった笑いを浮かべ、「はは…」と苦笑いし、リアンナは相変わらず「埃が気になる…」とつぶやいている。
エリオは入り口から必死に覗き込んで、「あの、僕もちゃんと中に入りたいんだけど…」と困った顔。
「やあ、僕はエディ。みんな、よろしくね!」とエディが立ち上がり、一人一人に握手して回る。ルビィと握手した時には、「おお、活発そうだね!」と笑い、リオナには「お姫様とは初めてだ!」と少し驚いた表情を見せる。
最後にリアンナと握手すると、「おお、真実の泉さん、いらっしゃいませ」と軽く頭を下げた。
「あら、知ってるの?」とミレイが首をかしげる。
「ううん、初めましてだよ。でも、魔道具さんならなんでもわかるんだ、えっへん!」とエディが胸を張ってどや顔をする。
「それなら話が早いわね。実は…」とミレイが話し始めたその時、ルビィが「ねぇ、これなに?」と変なスイッチを見つけてしまう。
「あ、それ押したらね…」とエディが説明しようとするが、ルビィはすでにポチッと押してしまった。
外にいるエリオの頭上から、「ぎゃっ!」という叫び声が上がった。巨大なタライが落ちてきて、エリオの頭に直撃。
「タライが落ちるんだよ」とエディがあっさりと説明し、ミレイは呆れ顔で「全く、あんたって人は…」とため息をつく。
リオナとリアンナは顔を見合わせ、「大丈夫なの、この人?」と困惑した様子。だが、ルビィはケラケラ笑いながら「ますます気に入った!」と大喜びしている。
エリオは頭をさすりながら、「いったい何なの、これ…」とぼやきながら、一同に加わる。
「みなさん、改めてよろしくね!」とエディは満面の笑みで手を広げ、ミレイは「はぁ…話が進むのかしら」と再びため息をついた。
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