第3章第2話: 「真実の泉、実は・・・!?」
「さーて、どうしたもんかしらね」リオナが腕を組んで考え込む。真実の泉ことリアンナが言った「世界を終わらせる力がエリオにある」という言葉を受け、一行は緊張感漂う面持ちであーだこーだと話し合っていた。
ルビィが「ねぇ、そういう力、なんかの拍子で使っちゃったりしないの?」とニヤリと笑うが、エリオは半泣き顔で「そ、そんなこと言わないでよ~」と怯える。
リオナも「でも、もし本当なら…対策考えなきゃ」と真剣に考えるが、どうもこれといった案が浮かばない。
「で、どうしろってのよ?」と、ミレイが呆れ顔でため息をつく。その時、リアンナがすっと肩をすくめながら口を開いた。
「あのね、もう一つ真実を教えてあげるわよ」
一行は一瞬にして息をのみ、リアンナの言葉を待つ。リオナは不安そうに彼女を見つめ、エリオは今にも泣きそうな表情。ルビィだけが、なぜかワクワクした顔で「次は何?」と身を乗り出している。ミレイもやれやれとばかりにリアンナを見つめていた。
リアンナは小さく笑ってから、「実はね……この泉、ちょっと……壊れちゃってるのよね~」とあっさりと言い放った。
「ズコー!」と、思わず一行は一斉にずっこける。
「壊れてるって、どういうこと?」とリオナが不信感をあらわにし、エリオも「じゃ、じゃあ僕、世界を滅ぼす力なんて持ってないんだね!?」と嬉しそうに言った。
リアンナは首をすくめて、「まぁ、壊れてる間はそういう力がどうなるかも怪しいわね」と答えた。
「も〜、びっくりさせないでよ!」とリオナが肩の力を抜き、ルビィも「ちぇっ、面白そうだったのに」と残念そうな顔をしている。
だが、ミレイが冷静に「でも、エリオ喜んでる場合じゃないわよ」と彼を見据えた。「本当にこれで人間に戻る手がかりがなくなっちゃったんだから」
その言葉にエリオはハッとし、「あ、そっか!ど、どうしよう!?」と慌て始める。
「っていうか、泉って普通壊れるもんなの?」と、ルビィがリアンナに尋ねる。
リアンナは肩をすくめ、「まぁね。これも魔道具の一つだし、壊れることもあるわよ。ただ…直せる人がいればいいんだけどね」と言い、視線をミレイに向けた。
ミレイはその視線に気づき、「なんで私を見るの?」と少し怪訝そうに言うが、リアンナは飄々と「あなたのお知り合いに、魔道具に詳しい方がいらっしゃらないかしら?」と尋ねた。
ミレイは少し考え込み、「いるにはいるけど…まぁ、かなり変わり者で、会うのも一苦労だけどね」と渋々答えた。
「じゃあお願い!お姉さんを直して僕を人間に戻す手がかりを!」とエリオが半泣きでミレイにすがりつく。
ミレイは大きなため息をつき、「わかったわよ、行くから…でも、なんで壊れたの?」とリアンナに尋ねた。
リアンナは少し言いにくそうにしながら、「実はね、公爵にある真実を伝えた時に、あの人が怒りだしてさ。おまけに“お掃除くん”っていう変な機械で追い出されて…その時、ちょっと無理しちゃったかしら」と説明した。
「あいつかー!」と一行が口々に叫ぶ。公爵のせいでややこしいことが起こっていると知り、なんとも複雑な気持ちだ。
「じゃ、ミレイ、案内して、早いところ出発しましょ」とリオナが言い、ルビィも「こういうの、楽しくなってきた!」とニヤリと笑って意気揚々についていく。
エリオは不安げな顔で、「え、僕もちゃんと人間に戻れるんだよね?」と聞きながらリアンナの修理の旅に出発するのだった。
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