【重要】機械翻訳感の脱却テクニック

みなさん、翻訳のアプローチ探求はまだ終わっていません!


実は、これまでの手順だと機械翻訳感が強いことに気づいてきたのです。

(恥ずかしい! こんなのでは、ネイティブのガチファンタジー勢とは戦えない……)

そこで、機械翻訳感・直訳感の解決方法を模索したので、記録しておきます。

やはり完全に自然な英文にするのは難しいと思うのですが、可能な限りいい感じにしたいのです。



▼機械翻訳調の例


翻訳直後の英文に対して『以下の文章について、直訳調の箇所とその理由を指摘して』などのプロンプトで、直訳調・機械翻訳調の箇所を教えてもらえます。


→翻訳前

少し離れたところにもうひとつの結晶があった。


→翻訳直後

A little distance away, another crystal stood.


→問題点

距離が短いところにlittleとなっている。あと後半のstoodが前にくると、倒置法になって、マイルドに文がつながるらしい


→改善後

A short distance away, stood another crystal.


こんな感じに改善できます。

あるいは、『以下の文章について、直訳調の箇所を自然な文章に直して』などのプロンプトで、ダイレクトに直した結果を教えてくれます。



▼はじめの翻訳の改善


ともあれ、日本語原稿をはじめに翻訳する際に、翻訳精度を高めると効果的です。

以下のようなプロンプトを与えると、多少自然にしてくれます。

実際の本文冒頭で実証してみます。


——————————

以下の条件に従って、本文を英語に翻訳して。


条件

・主語が明確になるようにして

・過去、現在、未来の時制を正確に自然に訳し、時制が統一されるようにして

・直訳にならないよう、文章の雰囲気を保つように適宜自然な表現に変更して

・日本人にしか伝わらない慣用句などは、明確な英語に置き換えて

・日本語の敬語の箇所が丁寧になりすぎないように、雰囲気にあったカジュアルさに置き換えて


本文

 月の光が照らす夜の森に、地面に根ざす大きな結晶の塊があった。


 うっすらと輝く青い結晶の中央には、少女の姿がある。銀髪をまっすぐ肩まで垂らしたその少女は、黒い上下の衣服に、黒いマントを身につけており、その名は『リティ』といった。


 リティの体はまるで生物の標本のように結晶に封じられ、ぴくりとも動かず、長い眠りの中にいた。

——————————

↓↓

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In the moonlit forest at night, a massive cluster of crystals was rooted firmly into the ground.


At the center of the faintly glowing blue crystal stood the figure of a young girl. Her silver hair fell straight to her shoulders, and she wore black clothes along with a dark cloak. Her name was “Riti.”


Riti’s body was encased within the crystal, like a preserved specimen, completely still, caught in a deep, unbroken sleep.

——————————



▼直訳調の箇所を直してもらう


事前のやりとりをリセットするため、別のルームを開いて以下を投げ込みます。

——————————

以下の文章について、直訳調の箇所とその理由を教えて。


※上の本文※

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↓↓

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この文章には、日本語から英語に翻訳された際に「直訳調」と感じられる箇所がいくつかあります。これらの箇所と理由を以下に示します。


1. “a massive cluster of crystals was rooted firmly into the ground”


直訳調の理由: 「根付いている」という表現は日本語では自然な比喩表現ですが、英語ではこの表現がやや不自然に感じられる場合があります。通常、英語では「rooted firmly into the ground」といった表現は植物に使われ、鉱石などの無機物には「embedded」といった別の語が使われることが多いです。そのため、ここでは元の日本語のニュアンスをそのまま直訳しているように感じられます。


2. “the figure of a young girl”

直訳調の理由: 「若い少女の姿」という日本語表現をそのまま「the figure of a young girl」にしているように見えますが、英語では一般的に「a young girl」や「a girl」だけで自然に伝わります。「figure」という単語は、シーンの中で何かを強調したい場合に使われることがありますが、ここでは「the young girl」などの表現の方が英語としては自然です。

……続く……

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このように、見事に直訳調の箇所を教えてくれます。



▼再度調整


次に、一度翻訳されたものを、自然な文に調整してもらいます。

——————————

以下の文章について、直訳調の箇所を自然な表現に置き換えて。


※一回目の翻訳された文章※

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↓↓

——————————

In the moonlit forest at night, a massive cluster of crystals was firmly embedded in the ground.


At the center of the faintly glowing blue crystal was a young girl. Her silver hair cascaded down to her shoulders, and she wore black clothing with a dark cloak. Her name was “Riti.”


Riti’s body lay encased within the crystal, as if she were a specimen preserved in time, motionless, lost in a deep, unending sleep.



改善点の説明


1. “rooted firmly into the ground” → “firmly embedded in the ground”

「rooted」を「embedded」に変更することで、無機物である結晶が自然に「地面に埋め込まれている」イメージに近づけました。

……続く……

——————————


こんな感じで自然な表現に直してくれました!

変更箇所とその理由も嬉しいです。

ただ、必要以上に改善し、元のニュアンスが変わらないように注意しなければいけないとは思います。


これをさらに、日本語にフィードバックしてもらうと、チェックができると思います。


しかしですね。

ニュアンスをまったく変えずに翻訳する、ってことが難しいこともわかってきました。

翻訳という行為の時点で、作品がある程度は別種のものになる、ということは受容しなければならないのかも、、

問題はその度合いであって。



▼まとめ

1、一回目の翻訳(改善プロンプトで)

2、直訳調の修正

3、日本語フィードバックチェック

このように、1の精度を高め、2で修正することで、より自然な翻訳にできるのです!

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自作をAI翻訳して海外進出してみた記録 浅里絋太 @kou_sh

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