あとがき 魔人のキモチを表現したい


『ビリケン黙示録 畜生道変』を読んでいただきありがとうございました🙇‍♂️⤵


ビリケン黙示録は大阪版の『帝都物語』を目指して書き始めました。


『帝都物語』に登場する闇の陰陽師、加藤保憲は僕の一番好きなダークヒーローです。


謎に満ちたこのチートキャラの正体を映画もアニメも詳細には語りませんが、原作の小説を読むと、原作者である荒俣先生の作家性こそが魔人・加藤の正体であることが窺えます。


東京に巣食う怨霊たちと東京を護ろうとする存在たちが、荒俣先生の東京に対する愛憎が入り混じった気持ちを代弁しているような気がして興味深いです。


『帝都物語』は角川文庫から全12巻出ています。


舞台は明治40年4月から昭和78年3月までの東京。


原作を読んでいる間、僕は97年間に渡るこの東京の物語をまるで自分が時代の生き証人であるかのように見てきました。


架空の東京にリアリティを感じ過ぎて、現実生活でも帝都物語の世界を生きているような感覚で過ごしています。


この感覚を維持したまま僕も大阪版『帝都物語』として『ビリケン黙示録』を書き上げたいです。


魔人・加藤と荒俣先生が原作のラストで東京を滅ぼしたように、僕も自分の作品の中で魔人になり、愛すべき大阪を滅ぼそうと思います。


業の深い旧人類は潔く滅び、新人類となる人たちが新たなユートピアを大阪に築いてほしい。


そのユートピアの下で僕たち旧人類は深い眠りにつく。


『ビリケン黙示録』はそんな僕の本音を書くためにあるのだと思います。


でも出来ればそんなひねくれた魔人としての僕のキモチを、笑いと人情の街で生まれ育った大阪の人たちに調伏して欲しいと思います。


滅ぼすつもりでいますが、このまま平和ボケした社会が続けばいいという願いも少なからずあるので、今後の展開はまだはっきりしていません。


今後はまたしばらく執筆作業に入るので、更新する予定はありませんが、次回『ビリケン黙示録 餓鬼道変』もよろしくお願いします🙇‍♂️⤵



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ビリケン黙示録 畜生道変 祐喜代(スケキヨ) @sukekiyo369

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