アークナイツ読書感想文

雨宮 隅

2024年10月

10/2~4 吾れ先導者たらん

*今まで私はかなり推敲を重ねてから、カクヨムに作品を公開してきましたが、このエッセイではあえて、「熱」にうなされて文字を叩きこむので、非常に読みにくいと思います。

 この文章は私が書きたいと思って書いただけで、読んで欲しいという体裁を考えてないので、ご了承ください。

 荒い文章で申し訳ありませんが、「アークナイツ」に少しでも興味を持っていただけたら、とても嬉しい限りです。


 ストーリーをしっかり読むのは何年ぶりだろう。

 私はアークナイツのタワーディフェンスの戦略性の虜なので、今でも十分にゲームを楽しんでいるが、傑作と褒めそやされているストーリーに全く触れないのはもったいないと思って、ようやく重い腰を上げた。

 とはいえ、やはりいきなり前知識なしに読み始めて再び挫折したくないので、親切にもYoutubeにストーリーまとめ動画を作ってくれている方がいたので、視聴した。

 初めに挑まんとする「吾れ先導者たらん」を8分にまとめて下さっていて、結果的に内容に大いに興味をそそられたので、良い動画だった。

 現在では活動停止しておられるのは残念だ。


 しかし読み終えた時点で振り返ると「8分でまとめるのは無理だった」というのが感想である。

 動画ではほとんどの旨味が削ぎ落されていて、やはり面白さは全部通して読まないと分からないなと思った。


 心に特に残ったのは二点である。

 まず最初にアンドアインを私を憎み切れず好ましく思った。彼はより大きい大義のため、信頼しされていた仲間を傷つけるが、もし私が同じ立場でもたぶん同じことをする、したい、と思う。

 より多くの人を救いたい、そのためならば小事は切り捨てる。

 昔々に読んだ「罪と罰」の主人公や、「Fate/zero」の衛宮切嗣と同じ「手を汚すヒーロー」に私は憧れをいつも抱いている。

 残念ながら創作上、確実に彼らのような人間は報いを受けることになるのだが。

 それが道徳上の「正義」なのだろう。


 もう一つ心に残ったのは、フィアメッタの「執念」だ。

 アンドアインに信じていた絆を壊された彼女の心は過去に囚われている。

 彼を妄執的に追い、復讐心を糧に生きている。

 しかし、それは悪いことではなく、一つのしっかりした生き様である。

 そしてその執念こそが、絶対的で不変の「アレ」の存在を知り、自分がやってきたことは無意味であり、何をこれから行おうとも意味がないと打ちのめされたアンドアインを救ったのは、話の作り方がうまいと私を唸らせた。

 フィアメッタの激情によって、彼は新たな答えを得る。

 意味がなくとも、誰も救えなくとも、救い続ける。

 それこそがそれだけが重要なのだと。

 生きるとは執念なのだ。

 現時点で「アレ」の存在は明かされていないが、いつその秘密が開示されるのか楽しみだ。


 「吾れ先導者たらん」と同時並行で、私は朝井リョウの短編「流転」を読んだことで、数日大いに悩むこととなった。


 リアル。熱。切実さ。本音。嘘のなさ。そして、執念。


 私はそれらの青い感情を忘れて、いつの間にか漫然と日々を浪費するようになってしまったのではないか。

 振り返る機会を与えてくれた二つの物語に深く感謝する。

 結論として私は初心を忘れてはいなかった。

 処女作「狂人の正論、あるいは、常人の極論」は無論、ラブコメ短編、泣く泣く連載を終了した作品、「探偵はもう、死んでいる」の二次創作、そして最新作「いけにえの国」、そしてそして封印した黒歴史作でさえ、私は全身全霊を込めて、創作に取り組んでいた。

 ゆえに自分の作品に悔いはない。

 ゆえに誇りを持っている。

 これからも最大の熱を持って、執筆に挑んでいく所存だ。


 「吾れ先導者たらん」は難解なアークナイツのストーリーの中ではかなり読みやすく、暗すぎず、少年漫画的な流れもあり、最初に読んで正解だったと思う。

 またこれからも面白い物語が待っていると思うと胸が躍る。


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アークナイツ読書感想文 雨宮 隅 @kaooruu32

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