オールド・サンと彼の遺書(あるいは彼の普遍的な死生観との対峙)

雛形 絢尊

彼の遺書 (全文)


(※こちらの文章は中略され、日本語に翻訳されています)




私は大層幸せにこの世を

去ることができるでしょう。

仮にもし私の命がすぐに朽ちても。

何にせよ私はこの世に

たくさんのことを成し遂げた。

関係ないとは言わせない。

私はそう、

この世に未練なんて存在しないと思う。

その価値観が全てを崩してしまうと

思うからだ。

なんて事を私はこうして書き記すのだけれど、

唐突に私の死生観、と言うものを

こう書いていこうと思う。

もし退屈でなければお付き添い願いたい。

私が思う死後の世界は「無」であると思う。

理由としては私たちは「無」から

始まったのだ。そういうことだ。

それは理由としてはたいそうな理由だが、

輪廻転生があるとするならば、

それはこういったことである。

無から無への繰り返しだ。

意味などないことに意味をつける。

それが確かに生きることへの確執だ。

富を得るもの、悲劇を語るもの、

それらが混ざり合い社会に成り立つ。

そんな歯車に理由もなく

就くことはやめておいたほうがいい。

一生が今の選択になるだろう。

私は上からものを言うように

死生観やらを書いていった。

思い残すことはない。思い留まることはない。

後悔なんてその次だ。

ただ生きよう。現代人。

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