僕と〇〇くん。
@tiizukeeki_2
第1話
「んー、どうかな?似合ってる?」
僕は誰もいない家で、玄関の鏡に聞いてみる。「うん、今日もばっちりだね。」全身確認したあと、決めポーズをとって鏡に愛嬌をふる。
「よし。」
僕は玄関をガチャっと開けた。
扉を開ければ開けるほど、外の光が家の中に差し込んでくる。外はとっても暖かくて、日差しと風が気持ちいい。
少し歩くと、もう桜は満開で、街全体がお祝いムード。なんといっても、今日は僕の高校の入学式だからね。これくらいでなくっちゃ。
両親がいなくなってから、もう3年が経つ。
僕は今までおばあちゃんと、両親が残してくれた家と財産で2人で暮らしている。今日はおばあちゃんは病院に行ってて家には居ない。持病だ。
僕は別に両親がいなくてもなんとも思わない。家事だってほとんど自分で出来るし、むしろほぼ一人暮らしみたいなもので、楽しいくらいだ。
「さっ、まだ間に合うけど遅刻しないようにしなきゃ!」僕は浮かれて走り出す。「あ、危ないッピ!!!」僕は柔らかいゴムみたいなボールを思いっきり蹴飛ばす。
その薄い青色の球体は壁や電柱にぶち当たって跳ね返る。そして、道路の真ん中に無事着地した。
「ごふぇっっ」
「なにこれ」
「ピ、ピピ、、」
きっと、僕の足元に、誰かのボールがあったから、危ないと叫んだのだろう。さっきのは誰だろうか。僕はボールを拾って持ち主に返そうと思ってボールに近づく。すると、それはボールではなく、足が6本生えたぬいぐるみだったことに気づく。持ち上げて持ち主を探す。
「すみませーん、人形蹴っちゃって!」
「渡しに行きます!!どこですか?」
「……」
「あのーー……」
「ピ……」
「ピ……?」
「ピピ……」
「ピピ……?」
するといきなり手に持っていた人形が思いっきり飛び上がって顔面に激突する。
「なんだお前!この俺様を蹴飛ばすとは!!」
「に、人形が喋ったー!?!?」
僕は痛みよりも目の前の事象を理解しようとするので手いっぱい。
「私は人形などではない、小童め。」
「人形じゃないの?」
「いいか小童、ワシはな、お前の世界の何十倍も発展した世界の王様、ピ様ぞ。」
「別の世界のモノってこと?」
「フン、」
丸いヤツは周りを見渡して、ボールが潰されるみたいに屈伸しだしたのを見て、僕はすぐにその生き物がどこかに行ってしまうのだと察する。
そして、丸いヤツがビューンと空に飛ぶ。結構早くて、手を離したら死んでしまっていたかもしれない。
「お前、、なにやってんだ。」
僕はそいつの顔を見てへへっと笑う。
「いいか、子供よ、私はこの地球の生命ではなく、自らを形づくる姿や物質を変幻自在に操ることができ、この地球では起こりえない現象を起こすことも可能だ。」「人知を超える体の機能でより高度な計算を行い、未来を考えある程度予測することも出来る。よって、動物やその他植物など、この星のデータを集めることが出来た。今後、この星には干渉する必要がないと判断した。」「これでいいか。私は別の星に用がある。」
「ちょっと待ってよ!もうちょっとだけ話そうよ!未来がみえるの?」
「僕の未来、教えてよ!」
「………承知した。」
僕と丸いソイツはどこかのビルにふわっと着地した。「それで、未来を占って欲しいんだって?」
おどろいた、屋上に着地したとたん、表現し難い見たこともない光や物質が高速に回って、次の瞬間僕とそっくりな姿をした人が現れる。声も自分のと区別のつけようがないくらいに似ている。ソイツが街中を歩いていても周りの人が気づくことは無いんじゃないかなと思う。
「そ、それ、凄いね。そう、未来を見て欲しいんだけど……」「あぁ、これ?言ったでしょ、変幻自在に姿を変えられるって」
「未来を見て欲しいんだったよね、さっき君の未来を考えて来たよ。」「えっとね、君は、高校2年生になるまでに、、、うーん、、乗り越え、、なくちゃ行けないもの………が、2個くらい……あるよ!」何故か分からないが、言いづらそう?言葉を選びながら?考えた未来を教えてくれた。「そ、それってつまりどういうこと?何を乗り越えるの?」「えっと、、まず君は責任を背負うことになる。」「それから、、キミの運命について、考えさせられる時が来るよ。」「責任?運命?……受験とか?」
「とにかく、もうその2つは君にどんどん近づいているよ。」「何か教えてよ!」「すぅーーーっ……。」「もういいや、とりあえず、学校行ってくるね!ってもう遅刻だよ!」「僕が連れて行ってあげるよ、エレベーターみたいに。」
「エレベーター?」
僕と〇〇くん。 @tiizukeeki_2
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