絵の無い絵日記

ーあらすじー

夏の始まり。
窓の外では小学生がはしゃぎながら虫取りをしている。
ジャワジャワと蝉がうるさく鳴く中、鈴は部屋の掃除をしていた。複数置かれている大きなゴミ袋の中には使用後の割り箸やティッシュ、お菓子の袋などが詰められている。
一息つき、何となく机の下の引き出しを開けてみる。中には、小学生くらいだろうか。ずっと昔に書いていた日記帳が姿を現した。
ネームペンで{絵にっきちょう}と、拙いひらがなで書かれている表紙をめくる。
{きょうから、絵にっきを、かきます！}
{きょうは、せんせいと、おべんきょうをしました！でも、せんせいがおもしろくて、ちゃんとべんきょうができませんでした！}
「ふふっ。確かに、小学生の時におもしろい先生居たなぁ...。」
鈴は懐かしく思いながら、その日記帳を机に…続きを読む