第4話
「私は企業に数日前まで勤めていたわ。会社員として。就職して二年ぐらい経ったぐらいに後輩が入ってきたの。当然私より若いし何より明るくて活発だった。そして新卒で入社したから皆に可愛がられていたわ。私も最初は可愛がった。優しく指導したり、叱るようなことはしなかった。厳しくしてなかったとは思う。でも一年ぐらい経った頃から彼女は変わってしまった。誰もが甘やかしたせいで仕事が出来ない子になってしまったの。仕事が出来ないとはいっても、要領が悪いんじゃなくて、媚びるようにして仕事をしなくなってしまったと言ったほうが正しいかな。男性は嫌な顔をせず、そんな彼女を手伝っていたものの少しずつ業務が溜まり、色々なところで弊害が出るようになったの。業務に支障が出ているしあの子のためにもならないから、一言注意をしたの。そしたら彼女はこう言ったの。【勝手にやってくれてるだけだから】と。そんな調子だから周りの女性を集めて少し懲らしめるために業務を振らず放置していたの。そうすれば彼女は少し考えを改めてくれるかなと思って。一週間ぐらい経った頃かな。相変わらず彼女を空気みたいな扱いをしていた日の昼休み、天気が良かったから屋上でご飯を食べようと思ってたの。それで屋上に行ったら。例の彼女が先に屋上に来ていたの。彼女もここで食べるのかなと思いつつ特に用もないから離れた場所でご飯を食べていたの。そしたら彼女急に屋上から飛び降りてそのまま死亡してしまったわ。私は急に怖くなって屋上を離れて、何も気づかないフリをして職場に戻ったわ。
幸いにも私と彼女しか居なかったから誰にも気づかれず戻れたわ。後から聞いた話だと空気みたいに扱われたのがかなり苦痛だったみたいで衝動的に飛び降りたんだって。」
女性はそこまで話してから深呼吸をした。
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