第5話

「自殺の話を聞いてから周りと話したわ。皆は自業自得だって、だから気にすることはない。うちらは悪くない。あの子の言葉を借りるなら【勝手にやってるだけ】と励ましてくれたわ。それでも私が提案したのがきっかけだったのは変わりなかった。結局ずっと心に残ってたから数日後に退職したわ。ある意味、そちらのご老人と一緒で人を殺してしまったってことかな。」

女性は話し終えたら何故かすっきりした表情になっていた。

きっとずっと誰かに話したかったのだろう。

老人と女性の話が終わったが、ドアが開く気配はない。

何故ならまだ自分が話してないからだ。

しかし、告白するような罪はしていないし、心当たりもない。

思い出そうとすると頭痛が起きる。

頭が割れるように痛いので、すぐに思い出すのを止めてしまったがこのままでは二人に申し訳ないし、部屋からも出られない。

必死に思い出そうとする。

頭痛が酷くなってきた、しかしやめるわけにはいかない。

そんな作業をしていたら、目の前が真っ暗になった。

遠くから話し声が聞こえる。

話し声に耳を傾けるとよりはっきり聞こえてくる。

目を覚まし声が聞こえる方向へ行ってみる。

着いた場所には言い争っている男女がいた。

よく見ると男の手に刃物が握られていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る