概要
最強のブリーダーは勇者でも魔王でもなく爺様でした
ペットショップを営んでいた川崎徹《カワサキ テツ》は、老いによる体力の低下から自身が経営する『わんわん王国』の閉店を決めていた。
そして閉店の日。多くの人に惜しまれつつ閉店した店内にはもう動物たちの姿はなく......否、長年一緒に過ごしてきた徹の相棒である柴犬のエメとの一人と一匹だけで店のあちらこちらを眺めつつ、思い出に浸っていた。
だが、そんな穏やかな一人と一匹の平穏な時間は、唐突に破られた。
突如として破られる店の玄関扉。砕け飛び散るガラス。徹とエメに迫る光輝く二つの光。
なんとかエメだけでも守らねば。そう咄嗟にエメに覆いかぶさるようにした徹が最後に見た光景は、運転席で慌てふためき必死にハンドル操作をしようとする、一人の高齢男性の姿であった。
しばらくして、徹が目を
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?