気がつくと祈っていました。どうか、どうかと。
- ★★★ Excellent!!!
この世界はいったいなんなのだろう。
目の前にいるのはただいつか銃撃犯になる少女と予言されている自我を持っていないかに見える静かな少女。それだけ。
いくつも浮かんでくる疑問を抱えながら読み進めるうちに、少女は全身で感じ、選択をし、自我を持って成長していく。
彼女の幸福な未来を思い描きたくなると同時に、頭にもたげてくるのはいつか銃撃犯になる少女という予言めいた言葉。背筋をゾワゾワさせてやまない不穏な感覚。
気がつくと祈っていました。どうか、どうかと。
無意識下に刷り込んだ、自分がどのような人間であるかという思い込みについて考える。はたして私は私の意識が望むまま本当に私自身の人生を生きているのだろうか? とも。