指パッチン!

牧太 十里

指パッチン

 五人の宇宙神が太陽系を見ながら話していた。


「最近の地球の世界情勢は目に余る物がありすぎですなあ」

「核兵器禁止条約が批准されおったが、核保有国を制御できん。効果が無いぞね」


「第二次大戦後、核なき世界を謡文句に、世界平和への道を歩みはじめたと思ったら、その安保理が、核有る世界戦争へ進みおったぞ」

「コーカソイドとモンゴロイドは血の気の多い種族だから、あれほど反対しおったのに、誰がテクノロジーを授けたんじゃ?」

「あのときは、みんなでテクノロジーを授けると決めたかと思いまする」

「まちがった判断をしてしまったな・・・」


「日本もいかんなあ。為政者は原発事故も、核のゴミ処理も解決しとらんのに、温室効果ガスを無くすために、原発を使うなんぞ言っとる。妙な薬で国民を人体実験しとる。難民と称して他民族を国内に入れて温情を与えるなど多国への内政干渉だ。以ての外じゃ

 またまた、国民を、クソのまみれた金魚鉢の金魚や、モルモットや、余所者の餌食にする気だ」


「城塞の中の者は屁理屈こねて隣国を攻撃しとる。

 机以外なら全ての四つ足を食う者は自分たちが世界の中心と思っとる。、

 ネイティブアメリカンの土地を侵略して民主主義なんぞ言っとる白いモンは、小国を扇動し、どう見ても、アジア系の民族を抹殺しようと考えとるとしか思えん。

 何か有るたびに打ち上げ花火を上げとるモンもおる。

 全て金儲けに走りおって、世界平和なんぞ、我、関せずじゃ」


「精神進化が退化しとる・・・」

「金銭欲は、進化しておりまする・・・」

「一理ありじゃな」

「この辺で、方針を変えてはいかがか?」

「いかにか?」

「異常気象とウィルスで足りぬとなれば・・・」


「しからば、ソドムとゴモラのごとく、鉄槌を下されてはいかがか?」

「あれですか?」

「そうじゃ」

「いつものように、指パッチンでござる!」

「おお!それは良い!」

「ではみなで・・・、」

「では・・・」

 五人の宇宙神は銀河の縁から指をパッチンと鳴らした・・・。




 欧米諸国で太陽光線や照明を浴びた白人たちはみな黒くなった。

 太陽光が射さない南北極圏の白人も、室内照明を浴びると黒くなった。

 黒くなった者たちは白くならず、子孫も黒いままだった。


 一方、ユーラシア大陸の東側と西側を支配している一部民族と、中東の一部民族は白くなった。

 地球上で白いのは、この民族だけだった。世界の人々は、白人至上主義を掲げる者たちを、総攻撃した。


(了)

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