働きたく働きたくない働きたくない働きたくない

白川津 中々

◾️

不養生で悪くしていたがようやく立ち歩けるくらいにはなってきた。


年に一度は高熱を出す機会があるのだがそれが今回だったようで、今年は健康でいられるかなと根拠に乏しい安堵の息を吐いたわけだが困った事が一つ。仕事をしたくないのだ。



体調を崩す前から勤労に中指を立て隠遁生活への憧れを知人に聞かせたりしていたのだが久方ぶりに何もしない時間を過ごしてみるとなんと気楽な事だろうかと幸福に満ちる。人と喋らなくていい、業務の数字を見なくていい、そんなゴミな人間性が許される生活。素晴らしい意外に言葉がない。あれやこれやと考えなくてもいいだなんてそんな、最高が過ぎる。


この毎日が保証されるならば悪魔に魂を売ることだって俺は厭わない。生涯だらだらしていたい。ずっと寝ていたい。動画サイトだけ見て生きて歳を取り、そして永眠したい。何故それが許されない。金がないからだ。あぁなんという無情。人の世の営みはいつもいつまでも金、金、金。金がないから仕事などしなくてはならない。誰か俺を養ってくれ。月三十万でいいから。



今日の夕食。

寄せ鍋。



明日から仕事だ。

働きたくない。心底から、本当に。

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