「ミック研究所の仲良し兄妹」
「なに。その壮大にアホ臭い粗大ゴミは」
ユウは朝食のトースト(のような何か)をゆったりと食べ、モーニングコーヒー(に似た黒い液体)をまったりと啜った後に、ようやく重い腰を上げて彼に尋ねた。
問われた彼、自称若干十六歳の天才少年ミックは、手入れのまったく為されていないボサボサの金髪をさっと撫で上げる。
そして、自分では格好良いと思っているニヒルな笑い(彼曰く、サイエンティストスマイル)を浮かべていた。
「やっと尋ねてくれたか。助手よ。せっかく見せびらかそうと思って、こうして三十分前からわくわくして玄関口に突っ立っていたというのに」
彼は機械でできた金ぴかメッキの鎧のような装置に全身を包んでいた。背中には近くのゴミ捨て場から拾ったビニールっぽい傘で作ったボロボロの羽が備え付けられており、胸には同じくゴミ捨て場から拾ってきた柔らかクッションで作ったお粗末なおっぱいが張り付いている。
彼の作った人型マシンには必ずおっぱいを模した何かが付いているのであるが、彼によれば人類のロマンが詰まっているかららしい。
ちなみにこんなものを見せびらかされるのは、二日ぶり七十五回目のはずだ。【神の器】によれば。
「いや。一度も助手になった覚えはないんだけど」
「ふっふっふ。今宵こそ貴様と決着をつけてやるのだ!」
ユウはふと窓の外を見た。さんさんと朝の日射しが照り付けている。
夏だ。魔獣狩りには良い季節だ。
「我が最強機動アーマー《ギガント69》! 目の前の仇敵を叩き潰すのだ! ゆけ!」
今度メレットを海に連れて行ってやるのも良いかもしれないなと、そんなことを考えてうんうんと頷いた。
「あれえ!? なぜだ!? どうして言うことを聞かないわけ!」
ここの所はダジンも小康状態が続いている。
平和って素晴らしいよねと、ユウは日々お世話になっているこの地に想いを馳せた。
「あー! 足が―、こんがらがるー! 助けてぇー!」
ユウは「はあ」とこれ見よがしに溜め息を吐いて、面倒臭そうにアーマーの側まで歩み寄ると、腹の部分にそっと優しく手を添えた。
《気断掌》
洗練された気力による技は、中にいるミックを一切傷付けることなく、見事に《ギガント69》だけを完全粉砕した。
二度と使い物にならないほど、徹底的に。
「ノオオオオオオオオオオマイガーーーーーーーーー!」
せっかく解放されたというのに、猛り狂ったように頭を抱えるミックを見て、ユウはやっぱり助けてあげなくてもよかったかなと思い直した。
自分がこんな素敵な気持ちになれる相手は、こいつとレンクス以外には浮かばない。
どっちも金髪だ。憎らしいほどに鮮やかな金髪だ。
「素人でも一目でわかる一番の改善点を教えてあげようか」
ぴたりとミックの動きが止まる。
神妙な面持ちで待ち受ける彼に、ユウは半眼で告げた。
「すっごいダサい。あれに入って外とか絶対歩きたくない」
「さすが助手。的確な意見だ。それ、一番言っちゃいけないやつだったよ……」
がっくりとうなだれて床に八の字を延々と描き始めた彼を見て、ユウはまたかと額に手を当てた。
一言で言うと、ものすごく面倒臭い男なのだ。ミックは。
とてもお茶目で面白いけど、まともに関わっているといくらエネルギーがあっても足りない。
「凹むなってミック。なんか悪かったよ」
一応心ばかりの慰めをかけたユウであったが、ミックは何事もなかったかのようにすくっと立ち上がると。
腰に左手を当てて、右手の人差し指を高らかに突き上げた(彼曰く、サイエンティストポーズ)。
「科学の真髄は未知なるものへの挑戦にこそある! このくらいの失敗でへこたれてなるものか! アイムメイビーレジェンド!」
中途半端な英語――こっちの世界では元々どんな言葉だったのだろうかとユウは思いながら、いつもの呆れからどんどん心が冷たくなっていくのを感じていた。
「やっぱりもう少し凹んでていいよ」
そろそろ寝ぼすけのメレットに「おはよう」をかけに行こうか。
踵を返したところで、がしっとミックに肩を掴まれた。
振り返れば、彼はうるうると涙を流している。こんなときだけ、曇り一つない綺麗な瞳だ。
「頼むよおおお! もうちょっと構ってよおおおおおおお!」
「うん……。ああ、わかった。わかったから泣くな。ね」
よしよしとあやしてやると、彼はたちまちのうちに元気になって高笑いを上げた(彼曰く、サイエンティスト笑い。スマイルはもう使ってしまったからと本人は言っていた)。
「ふっふっふ。はっはっはっは! そうか! そんなにこの天才ミックの発明を見たいか! そこまで言うならば、見せてやらんでもないぞ!」
「……で、今日はどんなものを見せてくれるのかな」
毎度の流れにすっかり慣れっこになっていたユウは、さしたる反応もなしに促した。
ミックはまるでこの世の始まりとでも言うような至上の笑顔を見せた。発明品を見せびらかすのが嬉しくて仕方がないのだ。
この屈託のない笑顔を見てしまうと、構ってやるのも仕方がないかなとユウは思ってしまうのである。
「こぉれだ! パンパカパンパンパーン!」
と効果音を自分で言ってから、そそくさと研究机に向かう。引き出しを勿体ぶりながら開けて、手に取ったものを眺めてにやにやしながら戻ってきた。
彼の手の中にあるのは、シンプルな造りの缶詰だった。
にたにたしながら、じっとユウの言葉を待っている。それを言わないと絶対に始めてやらないという顔だ。
実のところものすごく憎たらしいのだが、ユウは観念して付き合ってあげることにした。
「おお! 今度の発明は何ですか、博士!」
ユウの演技に満足したミックは、ピンと人差し指を立てて得意気に説明を始めた(彼曰く、サイエンティスト説明しよう! 何でもサイエンティスト付ければ満足なのかなとユウは思っている)。
やたらハイテンションで。
「説明しよう! 月末にひもじくてつい畑から野菜なんかを盗んじゃったときに、恐るべきポリスメンの魔の手から逃がれるときなんかにとっても使えるのだ!」
「それ普通に犯罪だよね」
「名付けてっ! 《けむりくん》(ボソッ)」
「あ、そこは落ち着くんだ」
ミックはにやりと笑うと、勢い良く缶詰の蓋に手をかけた。
「と見せかけての――オープン・ザ・ゲート!」
「あっ!」
瞬間、侘しい造りの研究室内をおびただしい量の白い煙幕が覆った。
何も見えない。本当に真っ白になるまで視界が塗り潰されて、二人は激しく咳き込んでいた。
「ごほっ! ごほっ! いきなりその場で開ける奴があるか!」
「しかも、おふっ! 催涙効果付きだ! えふっ!」
「これ、開けた自分が一番食らうよね!? へふっ!」
「はっ……そこに気付くとは! げほっごほっ! さすが助手!」
「それくらい自分で気付け! けふっ! 早く換気扇付けよう!」
「しかしこの煙では、見当たらない可能性が99%! げふんっ!」
「ほいっと」
そこに透き通るような少女の声がして、換気扇のスイッチが入った。
じきに視界がはっきりしてくると、ピンク色のポニーテールをした美少女が腕組みをして研究室の端に立っていた。
御年十二歳のしっかり者さんだ。普段は寝起きが弱いのだけが玉に瑕。
ユウが声をかける。
「あれメレット。起きてたのか?」
「お兄ちゃんがあれだけ騒いでたら起きるよ。普通」
メレット。ミックの妹だが、血は繋がっていない。
元々二人は戦争孤児で、まだ年端もいかぬうちにゴミ捨て場に捨て置かれたのだ。それからは、二人で支え合いながら生きてきたのだった。
そんな彼女は、兄のミックとは違って、少々いたずらっ子なところはあるが概ね常識人である。
「お兄ちゃん。お腹空いた。朝ご飯にしようよ」
「む。そうだな。そろそろメシにするか」
ユウはもう朝食は済ませていたので、二人の様子を見ていることにした。そもそも彼が今日ここに来た理由は、二人の朝食のためである。
やがて「朝食」は出来上がった。
「ねえねえ。お兄ちゃんお兄ちゃん。今月も資金が底を突いてしまったのー」
「死活問題だな。妹よ。いいだろう。その豆スープはお前が食え」
豆スープとは名ばかりの、お湯に豆をいくつかまばらに浮かべただけのあまりに粗末な食べ物。
そんなものをこの兄妹は普通にありがたがっていた。
こんな感じでユウが来るまでは、いつもリアルに死活ギリギリの生活を送っているのが常だった。
そもそもこの研究室も兄妹が苦労してゴミ捨て場の鉄屑から造り上げた掘立小屋が元であり(ユウが魔法で一応研究室と呼べるものに整えてあげた)、彼が研究を始めた理由も、妹が飢えないように発明で金を稼ぐためというとても立派な理由がある。
そのことをユウは、妹の話からこっそり聞いていた。ミックは世界の野望のためと笑って誤魔化しているが、妹想いの良い兄なのである。
「どうせそんなことだろうと思って。トーストとワーケルの肉を持って来たよ」
これまででユウが価値を感じている唯一の発明品『超圧縮袋』から、彼は自分が朝に食べていたトーストと、魔獣ワーケルの肉を取り出した。
トーストの上に焼いたワーケル肉を乗せるのが定番の美味しい組み合わせである。
二人の目がキラキラと輝く。一々わかりやすく喜んでくれるので、ユウとしてもまんざらではなかった。
ところで『超圧縮袋』なのだが、何でも普通の布団圧縮袋を作ろうとしたら、偶然異次元に繋がってしまったらしいとかなんとか。
本当に凄まじい発明なので、二人が大人になってしっかり世の中を学ぶまで決して広めないようにと、ユウはきつく言い聞かせていた。
でなければ、ひどい契約を結ばされて悪用されるか、さらに下手すれば殺されて奪われかねないと判断したのだ。
代わりにユウ個人のために作ってもらうこととし、その正当な利用料として、彼が魔獣ハンターや傭兵の仕事で得たお金の一部を毎月研究資金として供出してあげているのだった。
だが、たくさんお金をあげたらあげたで下らない発明ばかりするので、月末にはこのような貧乏になっているのが常だった。
ユウもそこはもうよくわかっているので、いっぺんにお金は渡さないようにしていた。代わりに、月末にはこうして必ず顔を出すようにしている。
「ちょっと待っててくれ。今作ってやるから」
ユウは女に変身して、るんるん気分で台所に向かう。
まずは火魔法でワーケルの肉をじっくりと炙り始めた。
美味しくなる火加減にはコツがある。彼女が第二の異世界『ミシュラバム』で培った料理スキルの見せ所だった。
ちなみに兄妹は、ユウの正体を最初から知っている。
そもそもユウとミックの出会いからしてだ。
たまたまユウの変身するところを見てしまったミックが、研究対象として異常な興味を覚え、めちゃくちゃ興奮したというまあそんな感じの経緯である。
「はい。お待ちどおさま」
「「おおー!」」
立ち上る芳醇な肉の香り。滴る肉汁がパン生地にじっとりと染み込んでいく。
特製ワーケルトーストを前にして、二人は同時に感嘆の声を上げ、鼻息を荒くしていた。
血が繋がっていなくても、こんなところのノリが兄妹だなとユウは思う。
「「いっただきまーす!」」
「召し上がれ」
二人の子供は言うや否や、我を忘れたようにトーストにがっついていく。
もうすぐ二十歳になるお姉さんのユウは、その様子を微笑ましく眺めていた。やっぱり自分の作ったものを美味しそうに食べてくれるのは嬉しいものだ。
「ほんとユウの料理っていっつも美味いよな!」
「うん。最高よね! お兄ちゃん!」
「ふふふ。炙り方もあるけどね、ちょっぴりこのスパイスを摘んで加えてやるのがアクセントなんだよ」
「うめえー!」「うまうま」
「あ、聞いてない」
渾身の仕掛けを軽くスルーされてしまったユウは、一人で軽く落ち込んでいた。
***
食後。男になったユウは、よくわからないアンテナ装置を向けられて壁際に立たされていた。
「あのさ」
「何だ助手よ」
「俺がちょっと頑丈だからって、毎回謎の実験の実験台にするのやめてくれない?」
ミックはちっちと指を振った(彼曰く以下略)。
「サンプゥル! それが助手の務めだろう! 最後は異形と成り果てて、僕を食い殺すところまでが仕事だ!」
「映画の見過ぎだと思うよ」
映画など知らない彼には意味がわからないと思うが、ユウはあえてそう言った。
ミックは自分の世界に入って、すっかり陶酔している。
「ああ。科学とはまさに禁断の果実よ! この甘美な誘惑に抗う術はないのだろうか!?」
「ダメだこいつ」
今回の彼の実験とは、すなわちユウの『心の世界』から未知のエネルギーを取り出してみようという試みだった。
ただ、さっきから呪文のように繰り返し口走っている言葉がまったく違うことに、ユウは盛大に眉をしかめていた。
「女になあれ。女になあれ」
「もうやめて帰っていいかな」
強制変身絡みではろくなことになった試しがないことを思い返し、ユウはいよいよ不機嫌になりかけていた。
魔獣狩りにでも出かけた方がよほど有意義に過ごせそうだと、彼が心の内で結論付けていると。
「『心の世界』をこじ開けるハイパービームッ! 発射ッ! ポチッとな」
いつの間にか何の心の準備もなく、謎のアンテナから謎のビームが発射されていた。
研究所を白で塗り潰すほどの強烈な光が覆う。
それがユウに当たった瞬間――ミックは一体何を用意したのだろうか――本当に『心の世界』に変化が起こり始めた。
『きゃああああああ!?』
『うわっ!?』
「俺」と「私」。二人のユウに強烈な引力がかかって互いに引き合う。
そのまま、二人は激しくぶつかって――。
なぜかよくわからないが、奇跡的なことが起こってしまったらしい。
「……どうしてくれるんだよ! 変なところで止まっちゃったじゃないか!」
光が止んだとき。
そこにいたのは、男でも女でもない。
理性は完全に男のままだが、身体は中途半端に女のものになってしまったユウだった。
少なくとも顔は男のままだし、胸はしっかり膨らんでいる。
彼なのか彼女なのか――が慌てて股をまさぐり、血の気が引いたように青ざめた。
「二つとも……ある……」
「おー。ユウお兄ちゃんにお姉ちゃんのぼいんだ」
メレットは呑気にきゃっきゃとはしゃいでいる。
ミックがあごに手を当てて頷いていた。こんなときだけやたらと冷静だ。むかつくほどに。
「ううむ。失敗か……」
「いや、納得してる場合か! 戻せ!」
ユウが叫ぶ。
男か女。どちらかに変身しようとしても、どうにも上手くいかなくて焦っているのだった。
ミックは思案に耽っていたが、そのうち何か名案を思い付いたのか。ぽんと手を打つ。
「そうだ! この世にも珍しいふたなりをしかるべき所に売り飛ばせば、我がラボに多大な研究資金が……ふっふっふ」
「馬鹿のお兄ちゃんにしては良い案かもね」
「二人して人を勝手に売ろうとするなっ!」
たまらずユウが全力で叫ぶと、メレットはくすくすといたずらな笑みを浮かべた。
「ユウお兄ちゃんってからかうと面白いよね」
「しー。聞こえてるぞ。妹よ」
本当にしっかりと聞こえていたが、過去を思い返すと強く言い返せないので、ユウは冷ややかな視線だけを二人に向けることにした。
『まいったね。精神体と肉体がごっちゃになって、変に絡まっちゃってるっぽい』
『君も呑気に構えてないで、分離しようと頑張ろうよ』
『うーん。お姉ちゃんこのままユウと一緒なのも悪くないかなって』
『あれ。君ってお姉ちゃんだったっけ』
『まあ実質そんなもんかなって。ユウってなんか手のかかる弟みたいだし』
『悪かったね。手のかかる弟で』
『ふふ。もう小さいときは私に泣きついてばっかりだったもんね』
『今こんなときにその話ってすることか?』
『いくつになってもユウはユウなんだよってこと』
二人のユウが案外呑気に『心の世界』の中でいちゃいちゃしている横で。
兄妹はいつになく真面目な顔をしていた。
「でもほんとに買われちゃったら寂しくなるよね。お兄ちゃん」
「そうだな。妹よ」
二人とも、ユウが来てから何だかんだで毎日がずっと楽しいと感じていた。
できることなら、いつまででものんびり居て欲しいと思っている。
いつかまた旅立ってしまい、もう二度と帰っては来ないのだと聞かされていても。
でも旅立つ覚悟を決めている者に、そんなことを面と向かって言って引き止めるわけにはいかないから。
せめて代わりに『心の世界』の研究をしているのだ。少しでもユウの助けになればと。
これはミックの内緒で、メレットもユウには決して言ってはいけないことになっている。
「……てかさ。お兄ちゃんが無駄遣いしなかったらすべて解決なんじゃないの?」
「それはわかってないぞ! 妹よ! お前には夢がない! さしあたっては胸がない!」
「むうー。これからおっきくなるもん!」
メレットが未だぺったんこの胸をさすりながら、頬を膨らませた。
その横でミックは「くっくっく」と悪人がするような笑みを浮かべている。
「夢は膨らませるべきだ! そう! こいつのようにな!」
男の欲望のまま、心内会議を続けているユウのおっぱいをむんずと強めに揉んだ。
さらに、大胆にも顔を挟み込む。
「ここに理想郷がある! ――おお! 夢がたっぷり詰まっているぞ!」
「――ほう。口八丁で人の胸に顔を突っ込むとは、いい度胸してるじゃないの」
妙にドスの効いた声にびびって、ミックが慌てて顔を離すと――。
そこには、こめかみをぴくぴくと引き攣らせているユウがいた。
いつの間にか、完全な女の姿になっている。それもガチ切れモードだ。
さしものミックも、これを前にしては、とても冗談を言えるわけはなかった。
「あるぅえ? ユウさん、いつの間にか元に戻ってらっしゃる? もしかして、性格もちょっときつい女の方が強く出ちゃってる感じなのかな? あはは……」
「《ファルチックル》」
ユウは、自ら編み出した風魔法の中でも最も凶悪なものの一つを炸裂させた。
くすぐり魔法。
泣いても喚いても、彼女の気の済むまで決してくすぐるのを止めない究極のおしおき魔法である。
ミックは、身をよじって爆笑し始めた。
「やめて! 僕これ弱いんだ! うわははは! 笑い死ぬ! あははははは!」
「永遠に笑い死んでろ」
ウィルに劣らぬほどの氷の眼で、ユウが吐き捨てるように告げた。
「んー」
メレットが楽しそうににこにこしている。
ユウは一転して、穏やかな調子で尋ねた。
「なに? メレット」
「なんかいいね。こういうのって」
「かもね」
ミック研究所は、今日も騒がしく平和だった。
後にミックはイスキラ史上最高の変人天才研究者として歴史に名を残すことになるのであるが、それはまた別の話。
フェバル~TS能力者ユウの異世界放浪記~ エピソード集 レスト @rest
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