第35話 女鹿田清子あらわる
日曜日のまだ早い時間、アミーこと
「おおっ!
アミーの目の前には、この一行についてきてくれるという怪しい存在もいた。
イクちゃんこと
鳥のような声のさえずりは、首から
「いや、その……俺も術とか使えるわけじゃないから。今日はよろしくお願いします」
アミーは彼らに、へどもどとそう返した。
フクロウとペンギンを足して、少しは長い手足をつけて、羽根を黒とか茶色とか緑色にしたらこんな感じという彼らは、不思議なことにうやうやしくアミーに接した。
アミーにとっては、彼らがイクちゃんのことを『マンマディフィク』というのが少し気になったものの「鳥だしまぁ良いや」という風に済ませたのである。
「
村の若い狩人であり、わけありの家出少女でもあるリノリノは、そんなバカなと言いたい感じの説明をアミーにしてくれた。
「それって……いや、昔はそういうことが出来る人がいたんだ。不思議でも何でもない。ここの村の人は、もっと昔の生活に戻ろうとしているんだね」
アミーは、自分が見た村のことをそのように
「そろそろ
ここでアミーたちは彼らと別れた。アミーにはやらなくてはいけないことがあるのだ。
それにしても、とアミーは先ほどの
「イクちゃん、2代目の
考えてみればこれはおかしな話だ、という風にアミーには感じられたのである。
「アミー、それはな、
それでも、大名の中には、そういう関係の者たちも多少はいたようである。彼らは
「それより、アミー。何か近付いてきているのだ。それによく知っておる人の気配もあるな。
イクちゃんの方はそう教えてくれているのだが、常識の範囲内にいる現代人のアミーとしては「そう言われても、こちらは何も感じませんがどうしろと?」と返したいところだった。
「イクちゃん、今はダンボールも着てるからだと思うんだけど、これ本当に動きづらいっていうか大丈夫なのかい? これで素早く動けって無理だと思うな」
アミーとしては、顔ですらある角度から下に向けられないことに、今やっと気がついたところだった。
「これは
いつもは皮と肉になって終わりなのだ。たまにアイテムを落とすが、相手が12歳以下でないと、アイテムを落とす
そう言ってイクちゃんは、先を急ぐ様にアミーの前の方をフワフワと飛んで進んだ。
「イクちゃん、ちょっと待ってくれ。これ着てると足元がよく見えないし、何だか黒くて長い生き物が前の方にいるようなんだけど、このまま行っても大丈夫なんだよね?」
アミーとしては、つられて歩く速度は上がったものの、
その上、進行方向には
「そうも言っておれんのだ、アミー。あれは
そのイクちゃんの
そこには確かに、スポーティというにはいささか
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俺が吹き飛ぶと桶屋がもうかる お前の水夫 @omaenosuihu
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