概要
別に、応じることが嫌なわけじゃない。でも、客観的にみれば、男と女だ。
*第五十四回北日本文学賞第四次選考通過作。
別に、応じることが嫌なわけじゃない。でも、客観的にみれば、男と女だ。歳はずいぶん離れているけど、私はここで滑らかに座ることのできる類いの女ではない。要するに、全然素直じゃないのだと思う。――登山中に「偶然」生き別れた父と遭遇する。話したいことが山のようにあるものの、「私」は偶然知り合った男女を装い続ける。
別に、応じることが嫌なわけじゃない。でも、客観的にみれば、男と女だ。歳はずいぶん離れているけど、私はここで滑らかに座ることのできる類いの女ではない。要するに、全然素直じゃないのだと思う。――登山中に「偶然」生き別れた父と遭遇する。話したいことが山のようにあるものの、「私」は偶然知り合った男女を装い続ける。