退華の剣にて‐不死身と猫の血風伝‐

死してなお、朽ち果てぬ願いを叶える唯一の方法は「この世ならざる異形へ転生すること」である。
彼らは矜持と信念を持って、人の御霊を捨てることを選んだのだ。これを愚かと詰ることが出来るだろうか。

そんな異形の存在に、最大級の敬意を表して——“華（はな）”と呼ぶことにした。


いつの世も後悔である。
生きとし生ける者の数だけ後悔がある限り、退華の剣の鳴動が止むことはない。

そして、今宵も異形たちとの血戦が始まる。
天突く咆哮の中、血飛沫散らせて男は大剣を振るう。血の嵐の中、新たな生を享受した異形たちは何を語るのだろうか。

この物語は、異形を清め祓う退華の剣を持つ男、天賀斎辰風と瑠璃猫による「救済」の話である——。

※１話の目安は３０００〜４０００文字です。