砂漠の王子は何者なのか?運命の出会い、三人の未来が灼熱の砂上で交錯する

 砂漠の村で兄と暮らす少年リクイは、兄の徴兵をきっかけに孤独な日々を送っていた。そんな彼を支えるのは、兄の幼馴染みでラクダ乗りのサララ。

 ある日、リクイは市場でナッツアレルギーの発作を起こし、サララの機転と名医の治療で一命を取り留める。一方、王太子を失ったJ国では、世継ぎ問題が深刻化していた。国王の側近ハヤッタは、行方不明だった王女の息子、ニニンドを探し出す。彼は旅芸人一座の座長として生きていた。

 J国へ行くことを拒むニニンドだが、ハヤッタの説得と乳母の病気をきっかけにJ国を訪れることに。そして、春の祭りのラクダ競争で、サララ、リクイ、ニニンドの運命が交錯する。それぞれの思惑が絡み合い、三人の未来は大きく動き始める。運命に翻弄されながらも懸命に生きる彼らの姿を描いた、感動の物語。