幽霊屋敷

TatsuB

第1話

私は私が生まれた時から父の実家で祖父母と父と母で暮らしていた。


この家では、二階立てにはなっているが、基本的に、二階は物置場所となっていて、私たちは一階で生活していた。


生まれた時から、この家に住んでいる為、誰もいない二階から明らかに人の声や足音がしても、特に気にもせずに、怪奇現象でも心霊現象のだと思わず、これが普通のことだと思いながら暮らしていた。


この現象がおかしいと思い始めたのは、友達と話したり、友達の家に行ったとき、自分の家と違う事に築き、違和感を覚えたからである。


それに、友達が私の家に来ると、怯えたように家に入らずに帰るということもあった。

小学生になってその噂が広がり、私の家は、「幽霊屋敷」と呼ばれるようになっていった。

だが私もだが家族も実害というか霊障というのか、そいういうのは無かったし、

両親も昔からの事で寝れていて家族は特に気にせずにいた。




中学、高校と上がっても相変わらず、私の家が幽霊屋敷という噂は絶えなかったが、私自身気にもしなかったし、幽霊屋敷に興味をもって、私の家に気も試し感覚でくるという人もいて、それはそれで楽しかったので悪くはないなと思っていた。


それから、大学の為に上京して、一人暮らしをすることになり、

特にいわくつきという家でもない普通の家に引っ越した。


しかし、なぜか誰もいないはずなのに、誰かの気配を感じることがあったり、

誰もいないはずなのに足音がするということが度々あった。


実家では、こんなもんだと特に気にせずにいたが、一人暮らしで新しい家で普通の生活ができると思っていたので、初めてこの現象に少し恐怖を感じた。


上京して明らかに周囲の目線というか、私を気味が悪い様に見る人が増えた気がしてきた。


学校の自称霊感のあるという友達には、お祓いを強く勧められたり、

ひどい時は、見ず知らずの人が私を見て、怪訝そうな顔で露骨に避ける人もいた。


やはり、地元にいる時よりも、あきらかに事態が悪化していた。


大学を卒業してからは、心霊現象が減った気がして、就職までスムーズにいき


前に比べて、明らかに普通に接してくれる人も増えて、家でも足音や人の気配感じなくなっていた。


そういう事も昔話の様に数十年たった頃には、祖父母はもう亡くなっていた。

両親ももう仕事も定年してその家で、そのまま隠居生活をしている。



それから、また数年経って、両親も亡くなり、私も家庭を持ちマイホームも建てたため、実家を相続した私は、実家の土地を売ることにした。



家の解体をして土地を売ることにして、実家の取り壊しを業者へと依頼した。

家の解体後、土地が売れて、そこに新たな家が建つことになったらしい。


新たな家が建てられる予定の土地から大量の人骨が見つかり、その事実が世間に広まった。ニュースを見た私は、実家で起きていた心霊現象や、私自身に起こった奇妙な出来事の理由がようやく明らかになった気がした。


その後、私はふと思い立って、実家があった場所を訪れてみることにした。解体された家の跡地には、すでに新しい家が建ち始めていたが、その周囲はどこか冷たく、不気味な空気が漂っていた。工事現場の関係者に話を聞くと、土地から見つかった人骨は、戦時中にこの場所で亡くなった人々のものだと説明された。遺骨はすべて適切に供養され、墓地へ移されたという。


「これで霊たちも安らげるだろうか...」

私はそう思いながらも、まだ何かが心に引っかかっている感じがした。


自宅に戻った夜、私は奇妙な夢を見た。夢の中で、私はかつての実家に戻っていた。家の中は昔と変わらず、祖父母や両親が生きていた頃のままだった。しかし、家の中には見知らぬ人たちがいた。彼らは皆、静かに私を見つめており、その中にはどこか戦時中の軍服を思わせる衣装を着た人もいた。誰一人として話さなかったが、彼らの目には強い感情が宿っていた。怒り、悲しみ、そして安堵の入り混じったような表情だった。


突然、彼らの一人が私に近づき、静かに口を開いた。

「ありがとう。やっと眠れる…」


その瞬間、私は目を覚ました。心臓が激しく鼓動しているのを感じながらも、なぜか不思議と安堵感があった。もしかしたら、彼らはようやく成仏できたのかもしれない。これまでの奇妙な現象は、彼らが助けを求めていたサインだったのだろう。


それから、私の生活は再び平穏を取り戻した。


不思議なことに、実家の跡地に建てられた新しい家に住む家族からは、何の問題も報告されていないと聞いた。恐らく、過去の霊たちは今ようやく安らぎを得て、新しい世代を邪魔することなく見守っているのだろう。


私は静かにそう信じながら、自分の家庭と共に平和な日常を過ごしている。


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