あとがき

以前からファンタジー小説を書いてみたいと思っていました。

ぼくは建設業の仕事をしていて、その知識を活用できないかな、とも思っていました。

二つの想いが合わさって、この作品が誕生しました。


アスファルト舗装の中が真っ暗な異空間になっていて、そこから脱出口する構想も考えたのですが、ありがちな設定かなと。

それなら逆の発想で、人間がアスファルト舗装にされてしまってはどうかと考えました。


主人公の「私」は、あえて名前を書かないようにしました。

「私」と表現すれば、どこにでもいる身近な存在に感じていただけるかなと工夫をしてみました。


アスファルト舗装はなぜ「私」を取り込んだのでしょうか。


その昔、トンネル工事現場に女性を入れてはいけない、事故が起きる、と都市伝説みたいなことが言われていました。

今では工事関係者の誰もが口にもしませんが。


こんな話は、トンネル工事だけに限られたことなのでしょうか。

もしアスファルトに意思があったら・・・。


作業員さんにとって「私」は、招かれざる客です。

作業は捗らなくなるし、言葉にはせずとも見下した態度がありありとしています。


アスファルト舗装にとって作業員さんは、自分に命を吹き込んでくれる大切な人たち。

作業員さんの波動が、もし意思を持つアスファルト舗装に伝播したら、「私」は排除されるべき存在になってしまいます。


「私」が自身を悔い改めた時、ひょっとしたら「私」が力を増幅させたのではなくて、アスファルト舗装の方が力を抜いてくれたのかもしれませんね。

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ペイヴメント 昭真 @shoshin

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