残滓の途

2ヵ月前の出来事で半廃人と化した男、ロイド・カーティスは、今や明確に死へと向かいつつある自分を掬い上げるために、地獄の様な都市シウダード・デ・シェノフィリア(Ciudad de Xenofilia)で、ギリギリの危険物取引とサイバー犯罪を繰り返していた。
彼の、最早残滓の様な人格が執着し続けるのはただ一つ。自身の生存である。
そのためにならば、倫理観も他人の親切もすべて利用し、その先に待つのが絶望だろうと隷属だろうと、進み続ける。