第58話重臣、討ち死に

昌景達は、銃弾の中に消えた。

昌景は、馬防柵を迂回するも、迂回出来ず、全身に銃弾を浴びて、采配を振るったままその場に倒れた。

「山県昌景の首、討ち取ったりーッ!」

夏希は、我に帰る。

「昌景の首、取らせてなるものかーッ!」

『夏希ちゃん!』

夏希は、もの凄い形相で、相手を刺し殺し、昌景の首を取り返して来た。


「殿!内藤昌豊殿も討ち死にして候。」

「クソッ!」

武田は、ガタガタになった。

「勝頼殿。我がしんがりを務めるので、撤退を。」

「わっ分かった。馬場。」


馬房信房は言い放った。

「我こそは、武田勝頼ぞーーーッ!」

少数となった武田が引いていく中、馬房信房は奮戦し、そして討ち死にした。

山県昌景、内藤昌豊、馬房信房は帰らぬ人となった。


甲斐へ着く前に高坂が用意していた兵で、勝頼は無様な格好を良民に見せずに済んだ。


夏希は、昌景の首塚を作った。

「死なないって言ったのに、私を置いて死なないって言ったのに、歴史通りには行かないと思ってたのに。どうして、、、。」

「武田守護神様。」

「梅ちゃん、、、。梅ちゃんも辛いよね。」

「辛いけど、わたくしにはこの子がいます。」

梅は、自分のお腹に手をやった。

「そうよね。私達がしっかりしなきゃ。それに私、分かるんだあ。昌景の気持ち。あれだけの猛将がああ言われては、引くに引けないってね。」

「夏希さん、、、。」

「梅、謙信のところに行くわよ。武田が生き残る道はそれしかない。」

「承知しました。」



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天は朝日のもと 彩広 夕 @takeyu

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