第57話長篠城攻め

更に翌年、武田勝頼は長篠城を攻めることにした。それに伴って、山県昌景、内藤昌豊、馬場信房らも出陣することになった。夏希も出陣することになった。梅はというと、昌豊の子供を身ごもったので、甲斐にて待機。

「梅、大事ないか?」

「大事ないです。ご武運を。この子のためにも無事に帰還して下さるのを待ってます。」


武田軍は長篠城へと出陣した。

長篠城へと着いた途端、武田軍は総攻撃を仕掛ける。

長篠城守る徳川は少人数。何とか持ち堪えてた。援軍にかけて。

すると、やって来た徳川の鳥居強右衛門を武田は捕らえた。

そして、武田勝頼は言った。

「援軍は来ぬと申せ!さすれば、命だけは助けてやろう。」

「ハハッ。援軍は来るぞーーーッ!皆の者、あともう少しじゃーーーッ!」

「火あぶりだ。」

「嫌っ!昌景!」

「お前は見るな。夏希。」


そして、織田、徳川連合軍と相対峙することになった。

織田信長は、馬防柵に三千丁の鉄砲を用意していた。


山県昌景、内藤昌豊、馬場信房、重臣らは、様子が明らかに違う。撤退した方が良いと勝頼に進言する。しかし、勝頼は聞く耳を持たない。それどころか、この腰抜け共と罵った。それを浴びせられた猛将、山県昌景は、黙っていない。この時、討ち死にを覚悟した。赤備えとしてのプライドが許さなかったのだ。


「すまぬ。夏希。」

「行かないで。昌景。死んじゃう。」

「すまぬ。」

「昌景ーーーッ!」



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