第7話 天界での大騒ぎ
ガーノルドは正気に戻ると、ノワールに一旦一度だけ平手打ちして、少し情けなさそうに「ありがとう」といい、
すぐさま「少し空へ戻ります。」そう言い残してノワールを遺して天界に昇った。
残されたノワールも居心地悪そうに、天使達の集う酒場に戻った。
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天界ではノワールの所業がありありと残っていた。
「俺は北国の次期『魔王』だぞ。手を放せ!命に別状はないんだ!」
いきなり、天界に飛ばされて臓物を出したままの、先ほどノワールと喧嘩していた深緑の麗しい髪の毛と赤い瞳の悪魔が、天使の治療を拒んで暴れていた。
ガーノルドは急いで、彼のそばに駆けつけ。他の天使みたいに手を添えた。
「あなた、生命は大丈夫なの??!ノワールのせいね??ここは知っての通り、天使達の集う天界よ。あなた、瘴気に当てられてたりしない?大丈夫そうね!!じゃあ臓物をしまえるようにするから!少し痛いわよ..」
紅の瞳が“ノワール“の名を聞くと少し悔しそうに歪む。
治療の後、かの男は、ガーノルド相手にこう呟いた。
「天使達ってのはこう、魔族相手にもおせっかいなのか?呆れたぜ。」
ガーノルドはそうね、と生返事して考え込む。
ーーーこの魔族が無事なのを考えると、ノワールは勢いに任せて、傷つけた訳ではなさそうだ。しかし、魔族世界にも“ノワール“の存在が知られ渡っているとは間違いない。
どうしたものか。
そう思考に耽っているうちに、神々しい音が聞こえた。
ーーー『神様』だ。
先ほどの男はびくりと慄いた。しかしながらそれを隠すように、ヒューっと口笛を吹いた。
「どうやらまじで天使さま達のお世界らしいな。彼の方がいらっしゃるとは..。あのトンチキ、、次はただじゃすまさねー..」
強気にも神相手に生き残るつもりらしい。
その強気はどこかの誰かに似ているな、、って思いながらガーノルドは頭を垂れた、、。
「神よ。、、、かのノワールは魔族に知れ渡るほどのものなのでしょうか?この男はノワールの首を取りにきたようです。この男をーー魔族をこの神聖な空へ呼び寄せたのは失態でした。申し訳ありません。」
浮いてくる神。
金白い目は何かを見通しているようだ。
そうして、ガーノルドに“頭を上げろ“といい、『気にしなくていい』と、手を軽く振った。
『以外にもこの男はここにいる天使達に手を出さなかった。恐ろしい理性の魔族だ。北国も最近は安定しているようだな。.、失態ではあるが、結果としてはオーライだ。』
『この男をノワールにもう少し近づけてみよう。。。』
『何か変化があったら都度報告を。。』『まあいつもここから観ているが。』
ーーーこうして、レイギスと名乗った男は命を取り留めた。
ただし、ノワールの付き人として、。レイギスにとっては不服だろう。
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