Vol.1-2:句養①(〜2015年6月)
「朧」
山朧メモの数枚飛び去りぬ
おぼろげな山の方へメモが飛んでいくという、見てそのまんまの句だが、今見ても取り合わせの距離感は悪くないんじゃないかと思った。
俳句甲子園なら「数枚」が真っ先にツッコまれそう。
あと、歳時記などを見る限りでは「山朧」という用例がほとんど無い。審査にはその是非も問われそうな気がする。
「母の日」
母の日の家見えて歩はゆつくりと
こちら、『俳句甲子園公式作品集 第4号』の「地方大会作品を読む」にて黒岩徳将さんに選んでいただいた句。
「見えて」にリアリティ、強い安心感がある。
とのこと。
当時を振り返ってみても、守りやすかった気がしている。ぱっと見でわかりやすいし。
強いていえば、「は」の強さが論点かも。
「若葉雨」
若葉雨食器重ねる音のする
食堂かどこかで、窓際で雨中の若葉を眺めながら食器の片付けをしている音を聞いているのだと思う。
しかし、橋本少年はこの表現にイマイチピンと来ておらず、特に「の」が引っかかっていた。
こちら、俳句で「が」の代わりとして使用されるものだが、おそらく「のする」の言い方も含め違和感を覚えたのだろう。
今となっては、この句が一番守りやすいかもしれない。
以上、供養でした。
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