3 決着
棒ゴブリンが、某野菜星人みたいに気を纏っていたから、真似してみようと思い、やってみたら案外簡単だった。
俺の身体のまわりにも透明な気のようなものが出現した。
だけど、棒ゴブリンのほうが勢いが強い気がする。
でも、やるっきゃない。
【熟練度が一定に溜まりました】
【コモンスキル:身体強化(F)を獲得しました】
これ、スキルだったんだ。
名前からして能力の底上げかな?
若干身体能力が上がってる気がするし、棍棒も少し軽く感じる。
棍棒を持って、連撃を食らわす。
獲物の重さが違うから、あいつが若干押され気味だ。
鋭い突き。
棍棒を間に挟み、直撃を防ぐ。
その反動で棍棒が少し後方に吹き飛んだ。
近くに落ちていたもう1本の棍棒を持ち、もう1本の棍棒へ走る。
棒ゴブリンはその間に俺の近くまで接近し、棍棒を拾ったくらいに、俺の間合いに入る。
身体能力を限界を超えて引き上げようとする。
エネルギーがゴリゴリと削れていく感覚。
片手で棍棒を持てるくらいの身体能力。
多分この身体能力を維持するのは2分が限界。
エネルギーの消費効率が悪い。
まあ、無理やり倍率をいじってるから仕方ないか。
俺が病気になるまでやっていたゲームのキャラは双剣を使うキャラだった。
動きは頭に入ってる。
肉薄斬り。
敵と俺が交差する瞬間に、右の棍棒を勢いよく振る。
腹に棍棒がクリーンヒット。
ガハッと、音を立て、膝を折る。
俺が徐々に近づいていく。
その瞬間棒ゴブリンは青白い光を放った。
その瞬間見た目が変わる。
緑の肌に貧弱そうな身体のゴブリンが緑の身体に雄々しき肉体を持った上位種となった。
「おい、おい...」
俺があれに勝てんのか?
鑑定眼
名 前:なし
種族:ホブゴブリン
レベル:1
状 態:通常
H P:76/76
M P:41/41
筋力:42
防護:19
俊敏:20
魔力:12
幸運:49
スキルの鑑定に失敗しました。
説明の鑑定に失敗しました。
防護が低いのがまだ幸いしているな。
攻撃が高いから掠ったら死にかねないけど。
てか、このエネルギーが魔力ってことあるかな?
身体からエネルギーが落ちる感覚。
その瞬間頭の中に出てきた単語…
「
風の玉が前方に飛んでいく。
腕に直撃し、腕を吹き飛ばす。
おい、おい。
まじか。
威力が違う。
今まで与えた物理ダメージが1だとしたらこの魔法ダメージは3か4だ。
それほどまでに高い威力。
あ、魔法を使わせまいと距離を近づけてきた。
あ、多分倒せる。
その瞬間また口から言葉が出る。
「
そうして、できた風の魔法は、首に向かって飛来し、首を切断した。
【経験値を獲得しました】
【レベルが5になりました】
【特殊スキル〈取得経験値増加〉が発動しました】
【レベルが6になりました】
【スキルポイントを入手しました】
ステータス確認してみようかな?
名 前:ネイレンス
職 業:なし
種族:人族
レベル:6
状 態:通常
H P:195/195
M P:390/390
筋力:98
防護:100
俊敏:92
魔力:170
幸運:92
〈魔力操作(A) 〉〈魔力感知(B) 〉〈緑魔法(E)〉〈青魔法(F) 〉〈白魔法(F) 〉〈黄魔法(F) 〉〈槍術(E) 〉〈剣術(D) 〉〈刀術(D) 〉〈魔増(C) 〉〈剛力(E) 〉〈鑑定眼(C) 〉〈瞬発(F) 〉 )〈防衛(F) 〉〈豪運(F) 〉〈魔力付与(E) 〉〈身体強化(F)〉〈取得経験値増加〉〈スキルポイント増加〉
うわ、さっきのゴブリンなんか目じゃないくらい強くなってる。
帰るか。
あ、そういえば投げた短剣どこだろ。
探していると、20mほど離れた木の根元に落ちていた。
たぶん木の幹に当たって落ちたんだと思う。
元の場所に戻り、さっき拾った短剣で耳を削ぎ落とす。
この耳は、モンスターの討伐証明部位と言ってモンスターごとに設定されている部位を持ち帰ると報奨金が出る。らしい。
だから、耳を切ってるけど、気持ち悪い。
ドクドクと切断面から濃度の高い血が溢れる。
これでいいかな。
そうして、街に帰っていくのだった。
翠嵐の賢者 @simaki_hajime
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