2 薬草とゴブリン

俺は、冒険書として初めてのクエストにでていた。

冒険者は、最初に一律で短剣と革防具が貰える。

鑑定してみようかな?


名前:初心の短剣

等級:劣級レッサー

攻撃:10

耐久:100/100

魔量:20/20

〈強度強化〉

量産された武器。切れ味もよくない。


名前:初心の革兜

等級:劣級レッサー

防御:10

耐久:75/75

魔量:10/10

スキルなし

量産された防具。革の質はあまりよくない。


名前:初心の革鎧

等級:劣級レッサー

防御:15

耐久:80/80

魔量:5/5

スキルなし

量産された防具。革の質はあまりよくない。


名前:初心の革腰当て

等級:劣級レッサー

防御:10

耐久:60/60

魔量:10/10

スキルなし

量産された防具。革の質はあまりよくない。


名前:初心の脚鎧

等級:劣級レッサー

防御:5

耐久:40/40

魔量:10

スキルなし

量産された防具。革の質はあまりよくない。


こんな感じらしい。

もっとスキルランク上げてったら情報が見れるようになるかも。

今は鑑定(C)だけど、けっこう優先的に上げていいかも。

魔力系と武器系最優先で、余ったら上げていっていいかも。

まずは、薬草採取をやっちゃおう。

今回の薬草採取でカウントされるのは、体力回復効果のあるライフ草、スタミナ回復効果のあるパワー草、火傷に効果があるアーロ草、麻痺に効果があるピリリ草の4つだ。

まあ、ここら辺の森にはこの4つの薬草しか自生してないだけらしいけど。

ライフ草に似た野草もあるらしいけど、鑑定持ちの俺からするとなんの障害でもないのだ。

鑑定を名前だけ表示に一時変更。

鑑定開始

〈雑草〉〈雑草〉〈雑草〉〈雑草〉〈マドゥ草〉〈雑草〉〈雑草〉〈雑草〉〈雑草〉〈雑草〉〈ピリリ草〉〈ピリリ草〉〈雑草〉〈ピリリ草〉

お、ピリリ草が3ヶ所あるじゃん。

このマドゥ草ってのが、ライフ草に似た野草だ。

効果はないが、食べられる草で、湯掻いて水煮にして食えるらしい。

マドゥ草も取っておこう。

周囲を散策した結果、マドゥ草4束、ライフ草2束、パワー草5束、ピリリ草7束、アーロ草一束だ。

薬草の10束納品には全然間に合う。

じゃあ、ゴブリン探すとするか。


そうして、森の中に入っていった。

魔力感知を発動させて魔物の位置を探る。

魔力感知に何かが映る。

魔力反応4体か?

これがゴブリンの魔力か?

近づくと、猿のような顔の人形生物がいた。

おそらく、これがゴブリン。

遠目で見ても人間に見えもしないこの生き物は、生理的嫌悪を感じない。

不気味の谷現象は起きてないようだ。

そんなゴブリン四体がいた。

棍棒を持ったゴブリンが2体、棒を持ったゴブリンが1体、弓のようなものを持ったゴブリンが1体。

レベルは棒ゴブリンが一番高いな。その次に弓ゴブリン、次いで棍棒ゴブリンだ。

弓ゴブリンは警戒しておいたほうがよさそうだ。こういうのは遠距離攻撃が強いからな。

俺も魔法が使えるらしいけど、使い方がわからない。

魔法を使おうとイメージしてみたけど、一切発動しなかった。

何かが別に必要なのかもしれない。

つまり俺の取れる選択肢が狭まるってことだ。

俺が勝つためには、接近してこの短剣で斬りつけるしかなさそうだ。

急所を狙うしかないと思う。

まず仕掛けるのは、片方の棍棒ゴブリン。

短剣が顎に沿って斜めに切り裂いていく。

うなじの手前あたりから頸の中腹辺りまで、切り裂く。

ドバッと血があふれる。

頸動脈付近を傷つけた。もしかしたら頸動脈に到達しているかもしれない。

その瞬間、短剣を首から引き抜き、柄で、首の付け根を突く。

ドサリとゴブリン一体が沈む。

この間10秒にも満たない短い間の出来事だ。

棒ゴブリンと弓ゴブリンは俺の警戒を高めたらしい。

もう1体残っていた棍棒ゴブリンが、突っ込んでくる。

後ろに棒ゴブリンも待機している。俺が変な動きをしたら、動きを封殺するつもりだな。

死体から獲物を取り、短剣を棒ゴブリンに投げつける。

棒ゴブリンは投擲を避けたが、完全には避けきれず、耳の上部に傷を負った。

死体から拝借した獲物…棍棒を使い、棍棒ゴブリンと戦いつつ、棒ゴブリンも戦いに混じってくる。


さっき投げた短剣がよほど癪に触ったのだろう。


怒りは、戦闘を単調化させる。ってボクシングやってた兄貴が言ってたな。だから、煽ってやってキレたらこっちのもんだってな。


その通り、格闘技経験のない俺ですらわかる攻撃筋だ。これなら、棍棒ゴブリンのほうが脅威まである。


棍棒ゴブリンが、大振りの叩きつけをしてくる。


俺は、それを見切って、体勢が前のめりになっている瞬間に、頭蓋骨に、思いっきり棍棒をぶつけてやった。

ゴキリと音がして、棍棒ゴブリンが倒れた。

頭蓋骨の陥没か?

棍棒を頭に落として、完全に絶命させた。

その瞬間


【経験値を獲得しました】

【レベルが2になりました】

【特殊スキル〈取得経験値増加〉が発動しました】

【スキルポイントを入手しました】

レベルが2になった影響か力が湧いてくる。

ガァァァ!

棒ゴブリンが吠える。

透明なオーラが棒ゴブリンの周りを巡っていた。

ド○ゴンボールだ!

気だよ気!

同じことしてみてぇ!

「うぉぉぉ!」

力が湧いてくる。

血液とは違う何かが流れていくのを感じた。


戦いはまだ続くのだった。

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