第2話

行列に並び、外壁の門の順番を待つ。

刻一刻と自分の番が近づいてくる。

そしてついには俺の番になった。

「次」

事務的に、俺に言葉を投げかけた。

「自己証明になるものはあるか?」

衛兵からそう言葉を投げられた。

「ないです」

「そうか、背格好からして成人になりたてか?」

成人になりたてだと思われているみたいだ。それなら話に乗っかった方がいいかもしれない。

「はい!ついこのの間が成人になったばっかりです」

「そうか、なら、持ち合わせもないよな?」

確かにお金はないな。話に乗った方が早そうだ。

「ヴェーテル。判別の水晶を持ってきてくれ」

「分かった。ちょっと待ってろ」

1人の男が、城壁のすぐそばにある詰所のような場所に走っていく。

そうして、直径30cmの水晶のようなものを持って帰ってきた。

「魔力充電も終了している。すぐに使えるぞ」

「分かった」

そうして、男は水晶に触れてみろと言った。

そして俺は水晶に触れた。

ピロンと、音がした時、水晶が青く光った。

「よし、犯罪歴はなさそうだな」

「入街税は、立て替えておくか」

懐にしまっていた紙を1枚破り、そこにペンでさらさらっと文字を書いていく。

「入街税は1回500ゴールドで出街税はかからない」

「国から独立した機関で作成した自己証明書があれば、四国同盟を結んでいる国では、入街税、出街税が免除される。この街なら、冒険者ギルドに入って自己証明書を作ることだ」

「1月以内に、この金を返しに来てくれ」

「はい!」

そう元気に返事した。

冒険者ギルドか。

ファンタジー世界の漫画とかだと王道だな。

街に入るために金を取られるんじゃもったいないしな

冒険者ギルドに加入してみようか。


そうして、冒険者ギルドの前まで来た。

ハンマーと剣の盾型エンブレム。

入る。その瞬間香る麦の香り。

麦酒ビールだ。

ガヤガヤと騒ぐ酒場と、冒険者カウンターが併設されている。

冒険者カウンターの方に向かった。

「冒険者登録をしに来ました!」

あるあるセリフ!一回言ってみたかったんだよね。

「はい。冒険者登録ですね」

こちらに要項を書いてください。


渡された羊皮紙?には、名前、職業、技能と書かれていた。

名前は、ネイレンス

職業は、なんだろ?

「今ついてるジョブはありますか?」

「まだついてません」

「なら、ジョブを得たら、後から加筆可能なので、なしでもかまいません」

じゃあ、職業なし

技能か。一番高い、魔法スキルは緑魔法だ。

「はい、お預かりいたします」

「ネイレンス様、職業なしで、技能が緑魔法。これでよろしいでしょうか?」

「それでお願いします!」

「はい、これで登録は完了です。こちらに魔力を通していただいていいですか?」

「謎の板に、魔力を流す」

「はい、完了いたしました。こちら、ギルドカードです。あなたの魔力周波を設定していますので、他の人が悪用したりはできません」

「もし紛失した場合、再発行に750ゴールド必要になります。なのでくれぐれもなくさないようにお願いします」

「ではまずギルドカードから説明いたします。ギルドカードには倒したモンスターの数が自動カウントされます。また、クエストのクリアポイントもギルドカードの中に保存されます。そのポイントは、ギルドにある特殊な機械でしか、操作できません」

「次に冒険者制度について説明いたしますね。冒険者とは、国家という枠組みを超えた組織であり、どんな 貧困な国であっても、1つは冒険者ギルドを所有しています。冒険者ギルドの他、商業ギルドなども存在いたします。おっと、少し話がそれました。冒険者には階級があります。下から青銅級ブロンズクラス銅級カッパークラス銀級シルバークラス金級ゴールドクラス聖銀級ミスリルクラス聖金級オリハルコンクラス緋々鋼級ヒヒイロカネクラス不朽鋼級アダマンタイトクラスの8段階になります。皆さん初めは青銅級ブロンズクラスから始めてもらいます。青銅級ブロンズクラスから銅級カッパークラスが下級冒険者、銀級シルバークラスから金級ゴールドクラスが中級冒険者、聖銀級ミスリルクラスから緋々鋼級ヒヒイロカネクラスが上級冒険者、不朽鋼級アダマンタイトクラスが最上級です」


「冒険者として、ずっと上を見て、戦うのです!」

「以上ですかね」

「ありがとうございます!」

「今日からクエストを受けていただくことができます。あ、クエストについて言うの忘れていました、申し訳ありません。クエストには3種類あります。1つ目が通常依頼で、クエストをクリアすると、報奨 がもらえますが、期限内に成功できなければ、違約金として、本来の報奨金の1/3を払っていただく必要があります。2つ目がフリークエストと言い、薬草の採取や、ゴブリンの討伐など、一般の方で一応は達成可能な依頼となっています。3つ目が緊急依頼です。緊急依頼は、報奨金が高く、非常に危険なものですが、貴族家や国からの依頼がほとんどです。指名依頼なんかも、この緊急依頼の枠組みの中に入っています。緊急依頼は原則断ることができません。貴族の不況を買ったり、街の危機にギルドから発行するクエストであり、人員がいなくなれば、街の危険などが増えるからです」

「このくらいでしょうか」

「クエストは受けていかれますか?」

「じゃあ フリークエストを見繕ってもらっていいですか?」

「そうですね、まずは薬草採集、それら、ゴブリンの討伐、コボルトの討伐がおすすめでしょうか」

「うーん、どうしよう。薬草依頼はやっておいた方が良さそうだ。ゴブリンかコボルト。大抵の作品ではコボルトが格上だ。無難にゴブリンを選んでおくか。


「薬草とゴブリン討伐でお願いします」

「はい、初クエスト受理しました」




そうして俺は初クエストに挑むのだった。




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☆お金の単位


この世界の硬貨は、火山地帯の国家アドゥリー帝国が発行した硬貨が広く利用されています。(1G=1¥)

金貨、大金貨だけは、市場の安定のため、10枚で次の硬貨に両替が可能。他は100枚で次の硬貨に両替が可能。




銅貨 :1ゴールド

大銅貨:100ゴールド

銀貨 :10000ゴールド

金貨 :100000ゴールド

大金貨:1000000ゴールド

白金貨:100000000ゴールド

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