第二章版 質問コーナー

□時系列的には第二章です。


 アザフェル:師匠、今回は質問コーナーだそうですよ。

   スルト:別に僕について話すことなんてないよ。

 アザフェル:いやいや、私、個人としても結構気になることが多いので、いろいろ 

       喋ってもらいますよ。

   スルト:うーん。まあ、いいや。

       それで、何を聞きたいんだ?

 アザフェル:そうですね。とりあえず、師匠のルーティンを教えてもらってもいい

       ですか?

   スルト:それだったら、ノアールの方が詳しいと思うよ。

  ノアール:では、私から話させていただきますね。

       スルト様は朝6時頃に起きられます。そして、身支度を整え、7時に

       なると朝ごはんを召し上がられます。スルト様はまだ肉体的に幼いの

       で、執務はほとんどありません。そのため、それ以後は魔法の研究や

       外出などをされていますね。

       それ以後は昼食を12時に、夕食を6時に召し上がったり、湯あみを

       されたりといったところでしょうか。だいたい、10時頃に就寝なさ

       れます。

 アザフェル:なるほど、意外と師匠にしては健康的な生活をしているんですね。一

       般の6歳児の生活とはとても思えませんが……。夜通し授業を受けた

       ときは本当にしんどかったんですよ。

  ノアール:そうですね……。あの時はお疲れ様でした。

   スルト:……ああ、そういえば、お菓子を用意してあるんだろう。

  ノアール:そうでしたね。そろそろ、冷却時間も終わったころだと思うので、す

       ぐに取ってまいります。

 


 アザフェル:師匠、師匠の好きなこととか、嫌いなこととかありますか?

       私、この話題については個人的に一番楽しみにしていたんです。

   スルト:あまり、そういうのはないかな……。

 アザフェル:え―。噓でしょう。その回答は完全に想定外ですよ。(でも私の想定

       内に収まる師匠なんて逆に恐怖ですね。)

   スルト:ああ。でも、そうだな。嫌いとまではいかないが、馬に乗るのは少

       し、苦手かな。なぜか、僕が乗ると怖がられるんだ。まあ、バランス

       をとるくらいはできるんだけど、やっぱり下手みたいで、何匹か潰し

       てしまったんだよね。

 アザフェル:……。その馬たちに心底同情します。

   スルト:うーん。そんなに僕は怖がられてないと思うけど…。

       後は、好きなことはカジノ巡りかな。

 アザフェル:師匠は切り替え、早いですよね。

       えっと、やっぱり、それって違法なやつですか?

   スルト:うん、そうだよ。

 アザフェル:意外ですね。師匠ってそういうの興味ないかと思ってました。

   スルト:効率がいいからね。

 アザフェル:どういうことですか。

   スルト:それくらいは自分で考えられるだろう。



  ノアール:お話し中失礼します。デザートをお持ちしましたが、どうされます

       か。

   スルト:どうやら、すぐに食べた方がいいみたいだし、今すぐ食べよう。

  ノアール:かしこまりました。

       ガトーショコラにアイスをトッピングしたものです。簡単なものです

       が、どうぞお召し上がりください。

 アザフェル:うわ~~。美味しそうですね!

   スルト:うん、美味しい。

 アザフェル:えっ。師匠、食べるの早すぎですよ。あと、ノアールさんは食べない

       んですか。

  ノアール:いえ、私は……

 アザフェル:師匠!

   スルト:まあ、今日くらいはいいんじゃないか。

  ノアール:分かりました。私もご一緒させていただきます。

 アザフェル:あ。ノアールさん、ちょっと、待ってて。

       はい、どうぞ。

  ノアール:っ! いえ、まだ、キッチンに余りがあるので、それを取ってきます

       よ。アザフェル様の分をいただくわけには……  あむ。

 アザフェル:美味しいでしょう。まあ、ノアールさんのデザートが美味しいのはい

       つもの事ですけど。

  ノアール:……。

 アザフェル:ああ、そういえば、師匠。ありがとうございました。

   スルト:いや、駄々をこねたのは君だろう?

 アザフェル:あははは。ごめんなさい。

  ノアール:どういうことでしょうか?

 アザフェル:それはですね。私がどうしてもノアールさんが作ったご飯とかお菓子

       が食べて見たくてこの身体を少しいじってもらったんですよね。

  ノアール:それは……すごいですね…。

 アザフェル:そうでしょう。だから、師匠には感謝してるんです。

   スルト:う──ん。ちょっと、会話がかみ合っていないような気がするけ

       ど……。



 こんな感じで、不可思議なお茶会は続くのだった。

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交差する光と虹〈キャラクター設定〉 サイカ @yuiyui1010

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