第一章 第八話 親友って何?

 「…どうしたの?」

「実は私…。宮内直樹みやうちなおき君とお付き合いすることになりました!」

「え!本当!?良かったね〜!おめでと!」

「えへへっ。ありがと、明美!」

本当におめでたい。脈アリだとは思ってたけど…。本当に付き合うなんて。

 実はみこは、次郎先輩との1件以来、恋愛に積極的ではなかった。軽い男性不信みたいな?でも、クラスでも優しいと人気の宮内君なら良いと思って付き合ったのだろう。

「宮内君から告ってきてさ、思わずOKしちゃったんだ〜。まだ明美以外に言ってないんだよ。」

「お〜!凄いね。みこ&宮内君か…。お似合いだね。」

〜〜〜

 みこが宮内君と付き合って1ヶ月。噂はじわじわと広がっていっていた。みこによると、『順調』らしい。一緒に帰れないのは寂しいが、みこが楽しいなら良い。

 そんなある日。

「なぁ直樹、最近大空とどうなんだよ。」

そんな声が聞こえた。思わず聞き耳を立てて聞いていた。

「あー…。あいつは顔が可愛いだけだよ。女欲しいから告っただけw。遊びだよあそび。面白れーよ、今度貸そっか?」

…は?『遊び』?みこ、そんなふうに扱われてるの?宮内君に?え?

〜〜〜

 みこには何も言えないまま1日が終わった。言ったほうがいいのか、言わないほうがいいのか…。分からない。そう思いながら勉強した。

「あっ…!あれ?」

こんなところで計算ミス。私らしくない。

 早く寝よう。

〜〜〜

 結局みこには言うことにした。こんなに勇気がいるとは思わなかったけど。

「明美、おはよう。」

「みこ、おはよう。………ねえ、ちょっと話があるんだけど、いいかな?」

「ん?いいよー。」

みこの優しい表情をみたら、言わないほうが良いという考えが頭を横切る。…いや!言うんだ。みこの為にも…!

「実はね…。」

 私は昨日の全てを話した。みこはとても悲しんでいた。

「嘘でしょ?明美が言うなら信じるけど、え、宮内君が?…でも、明美は辛くても言ってくれだんだよね。ありがとう。」

「…うん。何か、ごめんね。」

「全然、明美の謝ることじゃ無いよ。」

 みこはそう言っているけど、私よりとても辛そうだった。当たり前だ。

 明日から定期試験。健太先輩はいい結果を出せるだろう。私も頑張らなくては。

***

 「はぁ…。明日から定期試験か。勉強しないとなぁ。」

『桜田さんの顔に泥を塗るわけにはいかないし』という言葉は飲み込んだ。しかし、定期試験というのはどうも気分が乗らない。いつも点が低いからだろうか。

 今回はいい結果を出せる気がする。もうひといき頑張るか。

***

 いよいよテストだ。ちょっと緊張してきた。最初は国語だ。これは先輩の得意教科だから心配は要らないだろう。

 今日、みこは休みだ。

 朝、こんなLINEが来た。

『おはよう明美!今日から試験だよね。国語だっけ?でも体調不良で休むわ。心配しないでね。』

余計に心配になった。


 

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2024年11月17日 06:00 毎週 日曜日 06:00

空はいつでも 蜜柑 @hana8772

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