成化身神ーナルカミガミー

「ここはいったい……」

　見知らぬ部屋で立ち尽くしていた俺は、自分が何者かも忘れていた。
　部屋で見つけた鎌を手に取ると、

　――与エラレシ職ハ『死神』。職務ヲ全ウセヨ。

　と訳のわからない謎の声が頭に響く。家の中で見つけた、鏡に映った己の異質さを目の当たりにする。

「なんでこんなに……」

　白い髪と目、肌と唇。突きつけられた現実に、気圧されながらも遭遇した第一村人。

「私はね……『トイレの神』よ！！」

　そう自称するトイレの神曰く、ここは神の世界で、自分たちは、神として仕事をするのだとか。
　それでもわからないことが多い現状の中、初仕事に赴いた。
　そこで出会った、肌に色がついている、死神の先輩に問われる。

「君は……そこに何を……」

　そこから蘇った最悪の記憶に、たじろ…続きを読む