孤独が生んだ毒だとしても、これほどきらびやかな毒はあるだろうか

作者は基本毒づく。
あらゆるものに毒づく。
人生の何もかもが気に入らない。
そういう気持ちでこのエッセイは溢れている。
しかし、不思議と読んでいて暗い気持ちにならない。
それはこの作者が持つ不思議な軽妙さと鋭い斬れ味のせいだろう。
なんなら読後は爽快感すらある。
それでいてこの作者は矛盾を抱えている。
彼女が他者の自己顕示欲を否定するが、であればこのエッセイは何なのであろうか。
そういった矛盾が、逆のこの作者の本音と在り方を浮き彫りにしている。
そのリアルな人物造形がこのエッセイの魅力なのである。
作者には申し訳ないが、私はこのエッセイが更新されれば読み続ける。
そして更新されなくなっても忘れはしないだろう。