高嶺の花咲さんが路傍の石並にチョロいことを俺だけが知っている

　俺のクラスには美少女がいる。
　彼女の名前は高咲夏帆。
　容姿端麗、文武両道を素で行くクールビューティーな彼女は学校一の人気者だ。
　当然、告白するものは多くいたが誰も彼女を射止めることが出来ず、生徒達からは『高嶺の花』という異名を付けられている。
　ある日、高咲が定期を落としたところを目撃し、彼女に届けたのをきっかけに彼女の意外な本性を知ってしまう。

「すごっ！左藤君カッコいい、ちゅき、抱いて！愛してる！」

　彼女が高嶺の花などではなく、路傍の石並みにチョロい女だということを。
　今までの告白を断っていたのは告白されて感極まり過ぎて「ちょ、無理無理無理です。流石にそれは供給過多です」と言っていたのを断られていたと勘違いされていただけだと。
　そして、普段はそんな自分を隠そうと必死にな…続きを読む