第6話 フォースカタストロフィーの顛末

 ルインダーの大噴火は空を黒く染めている。黒い肉塊が豪雨のように降り注いでいた。大地は怪物どもの楽園へと変貌へ遂げる。

 ルインダーはその一つ一つが建物の大きさだ。衝突時にビルなどがそのまま飲み込まれて崩壊。ルインダーはそのまま人々に襲いかかってゆく。

『銃火器を支給します。応戦しなさい』

「これでも食らってな!」

 人々は勇敢にも銃火器で応戦する。

 打ち出される銃弾は確かにルインダーに当たる。肉を抉り、血を吹き出させて、突き抜ける銃弾すらあった。

 だが、敵の大きさから意味をなさない。いくら壁を破壊しても建物が壊れることのないように。

「うわあ!」

(でも死ぬわけじゃないから)

 大人たちの肉体は破壊され、チョーカーによる魂の鍵の保護機構――モノリス化によって一命は取り留める。それが繰り返される。繰り返され繰り返され繰り返され、終わった。

 一つの文明の終焉。

 誰しも見ることしかできない。誰しも諦める他ない。誰しも死ぬことしか許されていない。



 簡単に理想郷は崩壊した。そして■■によってカタストロフィーも終幕を迎えた。

 


 死者は逃げ遅れた子供のみ。これが大体100万人。そして、モノリス化19億人。

 残ったのは七歳の誕生日を迎えていない子供、計約1億人。そして軍部所属の13人の大人だけである。

 マルクトの六割が地獄に堕ちた。その場所は灰が積もり、とても人間が住めるような状態ではない。

 残り四割の都市だった場所には荒らされ、アニマニウム製の白色の学校と建物だった瓦礫、そしてモノリスのみが残った。

 そして、ルインダーは影も形も残っておらず、現在は静まり返っている。

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地獄に咲く美しき天蓋の花 アイの福音 みゃくじゃ@アイの福音 @myakuzya

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