第3話

「見てろよ。」

パーカーを脱いで男の子は言った。


「!!?」

背中から、小柄な身体には合わないほどの大きな白い羽が出てきた。

白く透き通った肌にとても映えている。


「これで分かったか、俺が本当に天使だと。年齢も本当に1000を超えている。」

「ぅ、え、あの、ごめんなさい、嘘だとか言って。」

「分かったならいい。」


男の子は羽をしまい、パーカーを着る。


「でも、1000歳を超えているなら貴方の身長は170cmはあるはずよ。なのに貴方は私よりも10cmぐらい下だわ。」

「俺は奇形児なんだ。天使の中のね。人間とは違う奇形だが。」

「そう…だから羽を身体の中にしまったり出来るのね。」

「まぁ、そういう訳だ。」

「それで、貴方が私を此処に連れてきたというのは本当なの?」

「本当だ。理由は知らんが。」

「?じゃあ何故連れてきたの?理由がないなら連れてくる意味がないじゃない。」

「天からのお告げだ。天からの命で俺は此処にお前を連れてきた。天から呼ばれるくらいの何かをお前さんはやらかしたって訳だ。」

「そ、そんなこと言われても、私は何故呼ばれたのかなんて名前も憶えていない私にわかるわけ無いわよ。」

「名前すら憶えていないのか。お前はこれから俺と居ることになるだろうから、名前がないと困るな。ずっとお前呼びというのも嫌だろう?」

「嫌に決まってるでしょ。名前、なんてどう考えれば良いのかわからないし、貴方が決めて。」

「ふむ…お前さんは目が紫だからすみれなんてどうだ?菫。」

「怖い花言葉とか無いわよね…?」

「花言葉なんて気にするのか。紫の菫は貞節、愛だ。何も怖くないだろう??」

「なるほど。菫でいいわ。…そういえば、貴方の名前は?」

「白木蓮。長いから白(はく)と呼んでくれ。」

「わかったわ。とりあえず部屋に出ましょ。」


私、菫は白と共に部屋に向かった。

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天使は正す者 @lime_karakara

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