受肉編

【あらすじ】※結末までの内容を含みます

　何かの病気なのか、日に日に膨らんでいく腹を抱えた石川隼人は、大学の同級生・渡会貴己が経営する医院を訪れる。エコー検査では原因はわからず、渡会の実家の大病院で精密検査を受けることになる。大病院での検査を終え、再び渡会の元を訪れた石川は、目をつけていた看護師・水雫瀬星夏の知り合いであるという謎の青年・生神結緋と出会う。
　モザイクをかけたように不鮮明な顔の生神は、石川の症状には『異界体』なる高次元の存在が関係しているのだと説明する。石川の腹部を写した検査画像には、どれも一様に不気味なマーブル模様が映り込んでいた。
　異界体は条件を満たした人間と勝手に契約を結び、何も知らない人間が契約に違反すれば【罰則】として石川の腹のような怪奇現象を引き起こすのだとい…続きを読む