夕闇色のその後・完結編 あとがきの章 あの時はもう帰らないんだね

 夕闇は……『11年間』の時空を超え……

 やっと、終わりました。


 お読み頂いた読者様へは、心より感謝申し上げます。


 連載方法としては、時系列順に【夕闇色の記憶】の次からのノンフィクション恋物語を順次上げて行き……その『8年後』の順番が巡って来た時点で【夕闇色のその後・完結編】を再度連載……という選択肢もありました。

 しかし、今の奥さん……さゆりさんと出逢ったのが【夕闇色の記憶】本編最終章の約1年後。

 それまでの物語を順次連載するよりも……読者の皆様が【夕闇色の記憶】本編の経緯や登場人物やその関係性を少しでも覚えて下さっているうちに……と。

 そして、事情が事情だっただけに……「こんな夕闇の連載はもう、終わらせたかった」というのが、正直なところです。


 皆さんにはなにか……『背負ってしまった罪悪感』の類、ございますか?

 【夕闇色のその後・完結編】は……その『罪悪感』と毎章毎章向き合っての執筆でした。

 それでも、逃げるわけには行かずに綴り続け……やっと脱稿。

 それはまるで、1997年に夕闇のすべてがやっと終わってくれた時のように……

 この連載も……終えることができて、ホッとしている自分が居た……そんなところです。


 その『罪悪感』の要因となってしまった『詳細な事情』に関しては……最後まで明かせずじまいで、お読み下さった皆様には申し訳ない気持ちです。


 【藍色の月】が終わり【夕闇色の記憶】を開始した時には、いかにもゆなさんだけとのお話のような顔をして続けていました。

 そこへまゆなが途中から登場するのは省けるはずがなく、当然想定していたものの……

 【その後】の部分をどうするかについては、未だ決心できぬままの見切り発車でした。


 ただ……そもそも【藍色の月】を開始し、軌道に乗り始めてきた時点で、ゆなさんのことも、いずれは書くことになる心積もりでしたし……ならば、まゆなが登場するのも必然。

 そして【その後】の部分もまた、避けては通れない覚悟は……既に固めていたような気がします。


 十代の頃の恋物語は最後、既に十代ではない時代へとワープし、今の奥さん……さゆりさんをも登場させる展開となりました。

 その時点では既に、少なくとも自分にとっては『恋物語』ではあってはならない状況でしたが……登場人物は僕だけではありませんから……やはり、恋物語なのでしょうか?

 ノンフィクションの……恐さでもあり、面白さでもありますね。


 諸事情から鑑みると「面白さ」という言葉は、不謹慎かもしれません。

 反面、ノンフィクションだからこそ、決して明かしてはならないその『諸事情』……。

 詳細を伏せたままで進めさせて頂いた【その後】は、読んでいてあまり面白くなかったかもしれません。

 然しながら、改めてお礼申し上げます。

 途中から……【夕闇色の記憶】から、または【藍色の月】からお読み下さったすべての方々へ……本当にありがとうございました!


 次なる連載は、時系列を戻します。

 即ち……【夕闇色の記憶】の最終章に描かれた、池袋のボロアパートで一人暮らしを始めた……

 夕闇に、まさか【その後】があった件などはまったく聞かされていない……

 18歳のれいくんへと、戻ります。

 既に……高校生ではありませんけどね。


 連載開始の際には、また宜しくお願い致します。

 

 重ね重ね、本当にありがとうございました!



 令和6年11月9日

 薄川 零







 ※追伸

 カクヨムへ一ヶ章アップする度に、自身のアメブロへ『広告記事』を上げている件は、一部のカク友さんへはお伝えしておりますが……

https://ameblo.jp/rei-tennenin-1987/theme-10110111376.html


 今回【夕闇色のその後・完結編】の最後となるこの【あとがきの章】の広告記事の、記事タイトル兼挿入歌は…

【三枝夕夏 IN db - Graduation】でした。

https://www.youtube.com/watch?v=_mQl6shVjcU


 その宣伝記事の最後に、この曲の…『夕闇版』の替え歌を載せましたので……

 こちらでも、披露させて頂きます。


 ********


 Separation


 放課後いつも 誰とも話さずに 貴女の居る街へ急いでいたね

 夕焼けが貴女を綺麗な夕闇色に 染めていったあのビルの向こう


 早く大人になりたくていつも貴女を そう 見上げていたあの頃に

 僕は腕時計の針を早回ししながら 照れ臭そうに言ったね


 同じ明日(とき)を一緒にゆっくりと作っていこうなんて…、ちょっと背伸びしたけど

 今時計の針を逆回しにしても ああ貴女はもう帰らないんだね


 Ah

 Separation

 2人よく来た公園で今 最後の章を綴り終えた

 遠く離れてしまっても 貴女の香りをいつも思い出してる



 小さな街で見かけてしまうあの子とも お互いに何となく気付かないふり

 別離(わかれ)…それから数年が瞬く間に過ぎて 今の貴女の報を知る


 信じられない知らせが届き 「本当ですか」なんて…、一緒の未来(とき)を作ろうと言った僕は貴女の8年を 知らないままで生きてきたんだね


 Oh my

 Separation

 2人よく聴いたあの曲 久しぶり一人で聴いてみた

 でも何故だか心抉られる程 罪は重過ぎた


 Oh my

 Separation

 出逢いと別れを繰り返しながら 人は大人になるの?


 Separation

 だとすれば人は きっとその輪廻を続けるのだろう…



 作曲:中村由利

 作詞:三枝夕夏

 替え歌作詞:三枝夕夏 薄川零


 ********



 ゆなさん……

 本当に……ありがとうございました。


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夕闇色のその後・完結編 薄川 零 @reisusukigawa

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