第4話:本当の自分、本当の愛

魔法少女と男の子、二つの生活を謳歌するきらり。しかし、そんなきらりの前に、新たな試練が訪れる。


それは、きらりの秘密を知ったクラスメイトからの告白だった。相手は、きらりが男の子の姿の時に仲良くしていた男の子。彼は、きらりの優しさと思いやりの心に惹かれたのだと言う。


「きらり、君のことが好きだ。付き合ってほしい。」


彼の真っ直ぐな告白に、きらりは戸惑う。彼への友情は本物だった。だけど、恋愛感情を抱くことはできなかった。


「ごめん…あたし…」


きらりは、自分の本当の気持ちを伝えられないまま、その場を後にする。


家に帰ったきらりは、一人ベッドの上で涙を流す。


「あたし…男の子のきらりのままじゃ、誰とも恋ができないのかな…」


魔法少女のきらりとしてなら、素敵な王子様と恋をする夢を叶えられるかもしれない。だけど、男の子のきらりのままでは、それは叶わない。


「あたし…どうしたらいいの…?」


きらりは、再び自分の心と向き合う。魔法少女になりたい夢、男の子でいたい夢、そして、誰かと恋をしたい夢。どれも、きらりの大切な夢。


そんな時、きらりは妖精の言葉を思い出す。


「あなたは、魔法少女であると同時に、男の子でもある。どちらも、あなたの大切な一部。どちらかを否定する必要はないんだよ。」


そうか、どちらも自分自身。どちらかを捨てる必要はないんだ。


「あたしは…あたしのままでいいんだ。魔法少女でも、男の子でも、あたしはあたし。そして、あたしを好きになってくれる人がいるなら、それはきっと、本当のあたしを好きになってくれる人。」


きらりは、自分の気持ちに正直になることを決意する。そして、勇気を振り絞って、彼に自分の本当の気持ちを伝える。


「ごめんね。あたしの気持ち、正直に言うね。あたしは…」


きらりは、自分が魔法少女であること、そして、男の子の心を持っていることを打ち明ける。彼は、最初は驚きを隠せない様子だったが、すぐに笑顔を見せた。


「きらり、君の気持ち、わかったよ。君は、本当に素敵な人だ。これからも、友達でいてくれるかな?」


彼の言葉に、きらりは安堵する。そして、彼の手を握り返す。


「もちろん!これからも、よろしくね!」


きらりは、魔法少女でも、男の子でも、ありのままの自分でいることを決意する。そして、そんなきらりを、周りの人たちは温かく受け入れてくれた。


星降る夜空の下、きらりは幸せそうに微笑む。それは、本当の自分を見つけた、新しいきらりの物語の始まりだった。


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星降る夜に、魔法少女はおかまになる @kokotuchandesuyo

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