知と能の獲得率向上委員会

加賀倉 創作【ほぼ毎日投稿】

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 どうも、ゼウスのような全知になりたい、加賀倉創作かがくら そうさくです(『全知』は個人の努力とイーロン・マスク氏が作ってくれるであろう『電脳』を駆使してできなくはないと信じていますが、『全能』は無理そうなので、敢えて掲げていません)。

 

 突然ですが……


 何かを勉強したり練習したりするのって、大事ですよね。


 資格勉強、膨大な用語を理解して覚えなきゃ……


 うわだっる! 入社までにタッチタイピング(所謂いわゆるブラインドタッチ)できるようにならなあかんのか……


 そんなのって、大変ですよね。


 最初は意気込んで始めたものの、三日坊主。


 そこそこ頑張ってるんやけど、頭に入らん! 理解できない! 身につかない!


 あるあるですよね、無限にあります、そんなことが。


 そこで、私加賀倉かがくら流の、知と能の獲得への近道をコソッと教えちゃいます。


 知と能の獲得への近道。


 それは、「目的を手段にする」ことです。


 えっ、ちょっと漠然とし過ぎていて意⭐︎味⭐︎不⭐︎明……


 だと思うので、詳しく説明していきます。



***



 『目的』と『手段』の二語からは、「目的と手段を混同してはいけないですよ?」とか「それ、手段が目的になっちゃってません?」とかいうフレーズが連想されるかもしれません。


 確かに手段が目的になってしまっている場合、その状況は不健全であることが多いとは思います。


 例えば、コロナ禍(とかいう意⭐︎味⭐︎不⭐︎明な時期がありましたね)では、「コロナウイルス感染予防としてアルコール手指消毒の実施を徹底しましょう」的な標語が世に溢れかえっていました。


 アルコール手指消毒はエンベロープウイルスには効かなかったりと万能ではなかったりするのでその有効性がどうだったかはさておき、とにかく、「ウイルス感染予防をする」という『目的』と、「アルコール手指消毒をする」という『手段』があったわけです。


 これがおそらく、いつの間にか多くの場所で、ソシャゲのログインボーナス的に「よぉわからんけどとりあえず手指消毒しとこっとスプレープシュ(手にひらのみごく微量)。おててパタパタ(浸透前に無意味に揮発きはつ)。はい完了(謎の達成感)。これでコロナにならないね(根拠なし)」と、目的達成度外視の手段先行型手順スーパーおバカなプロトコルになってしまっていたわけです。


 それは、よくないです、はい。


 しかし、私加賀倉が、知と能の獲得への近道として示したいのは、「目的を手段にする」であって、「手段を目的にする」ではありません。


 一体、何が違うのか。


 もう少し詳細に換言してみましょう。



***



 「目的を手段にする」というのはつまり、「あなたが到達したい最終目的地点の上に、さらなる目的を立てて、本来の目的を一つ次元の低い目的にしてしまえば良い」ということです。


 ますますよくわからないかもしれません。


 もっと言い換えます。


 何かを覚えたり、習得したい時、「なぜ、覚えないと/習得しないといけないの?」の部分が曖昧だと、できるものもできません。


 こんな例があります。


 「なんでもいいから外国語やりたいなぁ、とりあえず無難に英語の学び直しかな、高校まではやってたわけだし」


 こんな感じで英語の勉強を始めるとします。


 すると多く(偏見ですが)の場合、「あれ、ワイ、なんのために英語やってるんやっけ? 海外移住するわけでも仕事で使うわけでもないしもうええか、やーめっぴ!」となります(そういうことにします)。

 

 なぜ、英語学習は続かなかったのか?


 自明ですが、「海外移住するわけでも仕事で使うわけでもない」と、本人(誰?)の中で答えは出ています。


 このケースの場合、言ってしまえば、「英語学習を何のためにするのか」という『目的』を強化すればよかったわけです。


 というわけで、このペンネーム「NでもいいからG国語Yりたいなぁ」さん(以下NGYさん)の『目的』を強化してみます。


 NGYさんが、今の時代、外国語をやるなら何がいいか、ちょっと頑張って調べてみたとします。


 すると、こんな一つの結論に辿り着きました。


 「ほぉ、今はBRICSの時代なのか。ペトロダラーも完全崩壊して脱ドル化も進んだわけだし、大きい視野で見れば、ひょっとすると英語よりもロシア語、中国語、ヒンドゥー語、アラビア語とかの方が将来性があるかも? 地理的な近さでいうと……中国とかいいかも? 高い給料提示された日本人労働者がどんどん引き抜かれてるって聞くし! ワイも、目指せ高給取りっ!」(注)


 こうなってくると、「中国語(ワン・オブ・外国語ズ)を学ぶ」という元々の目的よりも上に、「お金を稼ぐ」という上位目的ができて、単に漠然と中国語の勉強をするよりも、俄然やる気が出てきませんでしょうか?


 当然中国へ行って働くには、多かれ少なかれ中国語を使う必要に駆られるわけで、NGYさんの脳は「中国語やらなきゃ!」モードになる、というごく単純な仕組みです。


 逆説的に言えば、脳が勝手に「これを獲得する必要がある」と認識してしまえば、吸収力はスポンジの如く爆上げするというわけです。


 つまりは脳を、騙すんですね。


 自己暗示というか、セルフ詐欺みたいなもんです。


 他にも、脳が「こりゃ覚えなあかんわ」「こりゃできるようにならなあかんわ」状態になる例をあげてみます。


 「嫌なこと/大変なことでも」ってやつありますよね(仕事でも無理なもんは無理な時もありますが笑)。


 あれ、なぜできるのかっていうと、仕事をすることで「生活資金を得るカセグ」とか「世間体を保つ」などの生きる上での大きな目的を達成できるからです(もっと高尚な大前提のもと仕事してるわ! って方いらっしゃいましたら、すみません)。


 ピラミッドの構造的には、最上位目的には「稼ぐ」、中間目的(=最上位目的にとっての目的達成手段)には「仕事をこなす」、下位目的(中間目的にとっての目的達成手段)には「ちゃんと朝起きて出勤する」なんていう項目が当てはまりそうですね(他にも、「やらなクビ切られる」や、「やらな減給される」や、「やらな降格させられる」などの要因も絡んではいると思いますが)。


 これらのようにして、「目的を手段にする」ことで、いくらか知や脳の獲得に近づくはず、と私加賀倉は思うのですが……どうでしょうか? 


 『目的』を『手段化』してしまえば、騙された脳が発揮する必要ブーストを利用して、あとはその『手段』にあたる内容を続けるだけ。


 いや、毎日はキツイって……


 ダメです、毎日です。


 歯磨きやお風呂と同じにしなくちゃいけません。


 つまりは習慣化です、やらないと逆に気持ち悪い、くらいの。


 それでも続かないなら多分、下位目的と、その上の上位目的と、さらに上の上の上位目的のミルフィーユ構造が盤石でないか、そもそも絶対にやりたくもないこと、興味のないことを目的に設定しちゃってます、きっと。


 そして、ダメ押しの、毎日続けるコツを強いて言うなら、一秒でいいので、その獲得したい対象に『毎日』向き合う。


 騙されたと思ってやってみてください。


 あと、お前が止まってる時に周りも止まってると思うな! と自分に対して思うのもいいかもしれません。


 自分が止まっている時に、周りが少しでも進めば、それは自分が相対的に後退していることを意味しますからね(もちろん他者と比べるようなことじゃない、場合もあるとは思います)。



 以上こちらは、『必要は発明の母(父)』を紐解いただけのお話、でした。



(注):これは加賀倉の一意見に過ぎません。

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