第12話
隣の中学校に通う
彼女が俳優のサトルとシンガーソングライターの
◇
「──やっぱりあなたが持ってたのね。この写真がなくなった日に家に来ていたのはあなただったもの」
「……気付いてたんだ」
「その日からあなた、一度も家に来なくなったでしょう」
「──なら、話は早いや。アンタもこの写真、世間にバラされたくないでしょ? 目的が一緒なら、協力してよ」
──その時だった。
優樹が走ってくるのが見えた。
そして
「いい加減にしろよ!」
優樹が声を荒らげた。
それほどの激しい剣幕を見たのは、小学生から知っている
「
「うるせえよ!」
優樹はそれを右腕で制した。
そして、握りしめた拳で思いきり、
「仮にこの写真が世界中にバラまかれたって、母さん達はなにも変わらない! いつまでもこんなことしかできないのか!?」
そして、「もういいや」と呟き、諦めたように笑うと写真を優樹に押し付けるようにして渡した。
「──もう、大丈夫なのかな?」
◇
「あら、私たちは必要なかったかしら?」
声がする方を三人が振り向くと。
「
隣には
「悪かったわね。わざわざ呼び出して。一度、
「いい女でしょ?」
「まあね」
「
──優樹が「好きです!」と
「幸せよね、私たち。愛する人たちに囲まれて」
「当たり前よ」
「キミはそこまで幸せでもないんじゃないか? 旦那には逃げられたようだし」
「相変わらず心底、腹の立つ男ね」
サトルの憎まれ口に不快感を
終
国民的女優は息子の相思相愛を許しません! 鹿島薫 @kaoris
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