ゆきずり、ではない…一期一会

展開としては、出会いに始まりラブホテルで終幕
そんな定番を思わせる要素で構成された物語。

しかし、この出会いは、ラブホテルで始まり遺跡にたどり着く
どこか転倒しているような構成に、不思議な余韻と
出逢いというものの妙が感じられる

ゆきずりならば、ホテルを出るところで物語は終わってしまうだろう
しかしこの二人は、ここからが本番

既に身体を合わせた関係という安心感が
自然に心の軛から解き放ち
二人は感情を吐露していく

どこか浮世離れした感を漂わせる二人が
物語にちりばめられた、縁と古との邂逅
そして、分からないままということの肯定

ドロップアウトすることの、可能性と
視点の転換を読者に提示する、この場面構成が
とても美しく見事でした